広島雑感[2-5]

一人呑みで入った店。数千店はおろか数百店も眉唾物ですが，百数十店は決して大袈裟では無いと思います。そんな数ですから程度の差はあれ，「是非再訪したい店」から「二度と行きたくない店」(そこまでの店は記憶に無い)まで，当たり外れは当然生じます。しかしこの店は唖然とさせて頂いた後に考えさせられる店でした。

元々，以前に書いた「まめひと」に入店した理由は，この店に入店でき無かった為でした。そもそもこの店は，数年前の広島出張時に見つけて気になった店でしたが，その時は入店の機会が得られず断念しました。そこで今回は通い詰めましたが，ほぼ開店直後に来客者が居ても一人二人の状況でも，「すみませんが予約で一杯です」と月?水の三日間連続で断られた時には心が折れ，諦めるしかないだろうと思っておりました。しかしその週の日曜日，いくら繁華街とは言え休みの店が多いです。そんな中でこの店は営業の様でしたので，断られたらどこへ行こうかと思いつつ今回のみで四度目の訪問で入店が叶いました。

既に来客がカウンターに二組居りました。ああ，断られ続けるのもこんなに集客力があるからなんだと思いつつ，まずは生ビール先に頼み，肴を何にするかとカウンターに置いてあったパウチされた日替わりメニューに目をやりました。しかしそれはメニューでは無く，画像の様な店側からの「断り書き」，私の様な客にとっては「宣戦布告状」とも読めるものでした。直後「偉そうに」と思ったものの同時に，「どんな酷い目に遭ったのだろう」とも思いましたが，とにかくここまで言い切るのであればよっぽど自信があるのだろうと，当日の肴では最も高い岩牡蠣ともう一品を日替わりメニューから頼みました。すると岩牡蠣はあるもののもう一品は切らしてしまったそうです。確かに日曜日ですから市場から直入れですと土曜日で掃けてしまう事はあるでしょう。ただしこの店の仕入れが直入れなのか知りませんが。仕方なく別のものを頼んだらそれも無し。更に頼んでもそれも無し。無い・無い・無いならば日替わりメニューの意味こそ無いでしょう。「日替わり」を謳うのならば毎日の状況に応じて書き換えるのが本筋です。そんな基本中の事も出来ない店です。ただし出してきた物は真っ当なもので，値頃感も悪くは無かったのも事実ですが。

帰京後，良く行く店の女将にこの写真を見せました。すると「余程の事があったんでしょうねえ…とてもじゃないけれど私には出す勇気が湧きません」と言われました。それに対しては斟酌します。しかし無粋である事も確か。残念ながら本日記で初めて二度と行かない店を残す事になりました…