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2018/11/09 12:46
天皇賞秋雑感
二週前になりますが…
スワーヴリチャードにぶつかった直後,果たして鞍上の脳裏にメジロマックイーンの事案が浮かんだ否か分かりません。またメジロマックイーンの時の様な「自発的なコース取り」と原因は違うし被害の甚大さも異なります。しかしマカヒキが後半3F3番目の足を使いながら0.9差の7着敗退と,昨年のキタサンブラックで出遅れながらも見事なリカバリーで勝利に導いた手腕が見られなかった事から「邪推」をすると,鞍上の気持ちに影が映った様に感じてなりませんでした。
一方で被害を被ったスワーヴリチャードは,全く最後までそれまで披露してきた走りを見せる事なく,小さな馬群に沈んでしまいました。しかも皐月賞の敗退時以来となる後半3Fを上位3番目以内に入れない結果となりましたが,これはもう最後の1Fではあまり追っている様にも見えなかったので,その影響もあったのでしょう。果たして休み明けやスタート直後のアクシデントと言う理由のみで片付けて良いのか,それは次走の結果次第でしょうか。
レースそのものは,キセキが前後半3F36.2-34.5,5F59.4-57.4と言うペースを作りました。戦前から菊花賞馬らしくスタミナ戦に持ち込むため逃げを噂されていましたが,そのラップは「並の馬」ならば称賛される数字でした。しかし,「スタミナ戦に持ち込む」と言う観点からは,疑問符を付けざるを得ない数字かもしれません。例えば前半5Fもう一つ早い58.4とした時に,後半5Fがどの様になっていたか想像してしまいます。前半と一緒の58.4であれば,それは勝ち時計とも並びます。全走毎日王冠のラップがベストだったかもしれません。
むしろこのペースで良かったのがサングレーザーで,スローの上がり勝負となった事から持久型のキセキをギリギリ競り落とせたのかと思います。マイルチャンピオンシップ(ですよね?)は半分手中に収めたのと同じでしょうか。
それらとは別次元の競馬をしたのがレイデオロで,中間のアクシデントも煙幕か三味線弾きの様に思えてしまう完勝でした。JCスキップは何をか言わんやですが,まさか藤澤師が小賢しい策士に落ちぶれたのではない事だけを願いたいです。
そのレイデオロとオールカマーで接戦を演じたアルアインでしたが,完全に水を空けられてしまいました。こちらもキセキのラップが前半もう1秒早かったらもう少し粘れたかもしれません。いや,結局キセキを抜けませんでしたから,サングレーザーのスタミナ次第で3着が一杯一杯だったのでしょうか。
2000m戦はMとLの狭間でなかなかの充実具合です。大阪杯がG1となった事もうなづけます。