招かれざる客

先日は東京で重賞が無いし雲行きも怪しかったので通常ならば競馬場へは行かないパターンだったのですが，京王線の回数券が余っているどころか最低1往復しないと損する状況なので行って来ました。とは言え，宝塚記念は競馬場でもモニター観戦ですから競馬場は東京10R前に立ち去り，府中競馬正門前駅そばの呑み屋さんへ入店してしまいました。

G1とは言え関西開催ですから店内のお客は七人中五人が常連さんと言う状況でまだ閑散としております。そんな中，「いらっしゃい，お一人?」，と言う女将の声が聞こえたのと当時に，「東京9R，何番で決まりましたか?」と聞きまくる60前後のオッサン，そのくせ髪の毛は黒々としている客が入って来ました。他の常連さんが馬番を教えるとブツブツ何か言い続けて椅子に座る気配がありません。痺れを切らして真後ろに立たれていた常連のおばさんが，「後ろに立たないで」と言うと歩き始めて私よりも一つモニターよりテーブル席に着きました。そしてやっとレモン酎ハイを注文です。するといきなり真後ろになる私の方へ向き，「次のレース，何を買いましたか?」と聞いてきました。

まあ，競馬場付近に限らず呑み屋で客同士が盛り上がるのは良くある事ですが，店ではまだ一口も付けずに入店直後から人に話しかけまくるという類はそうそういません。これは相手をすると面倒と思いながら「買ってません」(事実です)と答えると，再度「えっ，何買っているのですか?」と聞いて来たので「ハンデ戦だから買ってません」(事実です)と即答すると今度は，「戸崎が999勝だから勝つと思うんだよねえ」と言うので「ああ，1000勝目ね」とだけで答えてやるとそれには乗らずにテーブルに向き直りました。そして次の標的が同じテーブルに座っている常連ではなさそうな二人連れに。ご丁寧にその二人連れは相手をしていましたが，10Rが始まり戸崎騎手騎乗馬が最後いいところに付けていると「良し当たった!」って，直線残すところ1Fあるにも関わらずに大騒ぎ。しまいに差されると「何でぇ」と嘆きに変化。終わったら終わったらでまた周りにつまらない講釈を始める始末。ついに女将が「前向いて座っていて!」と叱り付けます。

しかしそんな事はお構い無しに次は宝塚記念に関してべらべら喋ります。特に「スティッフェリオから買った」と「1から6番は来ないよ」を強調しまくります。すると今度は万券が当たった際に何回か生を奢って下さった常連さんが，「ちょっと黙って見ていてよ。こっちは自分が買った馬にケチをつけられて不愉快だ」と注意します。ところがこいつは人の注意に聞く耳持たずで，今度は私の後ろの席の人の所へ行って喋りまくります。まあ，その人も人が良い様で結構相手をしてやってますが，相変わらず「1から6番は来ない」を連発しています。そして自分達の所から居なくなったのを見計らってなのか分かりませんが，先に絡まれた二人連れは退店して行きます，その時に女将からは謝られていましたが，張本人は全く気付きません。

そうこうしているうちにレースが始まりますが，リスグラシューが先頭に立つと，またまた「当たった当たった」の連発です。馬鹿が，2番手に粘っているのは1枠1番のキセキなのが見えないのか。スワーヴリチャードが差して来ましたが，こいつが大騒ぎすると面倒だしもうレデオロも全然伸びないからそのまま決まれと思っていたところ，希望通り私は買わなかったキセキが残ってくれました。するとこいつは相変わらず「当たった当たった」を連呼したまま出て行きました。

要するに誰かに構って貰いたいだけの賑やか師と言う事で，家に帰ったら一人寂しく外れ馬券を見ながら夕飯を取ったのでしょう(苦笑)…

因みに余っ回数券は女将にあげてしまいました。そうしましたら呑み代の消費税は免除頂きました(笑)!