エリザベス女王杯雑感

前後半中途半端ですが10.5Fずつですと、65.3‐65.0と完璧に近い平均ペース。これを作り出したのが幻惑騎手の長、横山典弘騎手です。まあ、セイウンスカイで一度死んだふりした後に復活させたり、スマイルジャックで調教師を激怒させたりと、周囲を困惑の坩堝に陥れる事に長けているばかりでなくしっかりと成績も残されていますので、結果としてノームコアには1F長かったのでしょうか。

そのペースに惑わされる事無く中段より後方にいた上位三頭でしたが、結局ラヴズオンリーユーが前を捉えられず後ろから差されたのは師が懸念していた優駿牝馬時よりは10%程度の物足りなさを最終追切から埋めきれなかったせいなのでしょうか。もしかしたら一時期のラッキーライラックと同じ状態に陥ってしまったのかもしれません。けれども、それならばまだ復活の可能性はあるので法人馬主の馬であってもあと1年は現役でしょうから、復活を期待しましょう。

伸びきれない前記を差したサラキアですが最後の最後まで足を貯めた為に繰り出せた一番の上り時計ですから、着順としてはここまでだったのかもしれません。現況、ラッキーライラックに先着するには、再内の馬場が良くてそこを通り、直線前が開いてくれると言う幸運が必要なのかもしれません。

大阪杯を快勝したものの札幌記念で3着に敗退したラッキーライラックですが、ここで勝つ事は大阪杯の勝利からも十分想像できるものの、そうすると尚更札幌記念の敗因が謎になります。結局は「不確かさ」の範囲で能力の発揮は揺らめく事に帰着するのでしょうか。

いずれにしてもアーモンドアイやデアリングタクト不在でも充実したエリザベス女王杯となった事は、今の日本の競走馬層の厚さ、特に牝馬陣の厚さを物語っているのかと思います。