新潟雑感(その3)

前回から一週間以上過ぎてしまいましたが「かね清」について書きます。

果たして皆さんは「一人飛び込み」で鮨屋に入った事はありますでしょうか。まだ「食べログ」等と言うものが無い時代は，呑み屋選びも全て自分の勘所に頼っていました。当時，都内には既に価格表記された「寿司居酒屋」と言う類の店が出店し始めていました。しかし地方都市にそれらを望める訳も無く，またあったとしても都内で入れる店に行っても仕方がないので行くつもりも無く，結局は自力で開拓せざるを得ませんでした。幸いこちらの店頭には一貫の価格も表示されており，最悪カードもあるからと開き直り入店しました。当然，座る所はカウンターです。そして初めて自分で開拓した鮨屋のカウンターで板さんと差しの状態で頂きました。最初は緊張感があったものの，ビールをあおっているうちに普段の呑み屋と変わらない状態になりました。勿論，出される料理，そしてお店の方達が良かった事が最大の理由である事は明らかでした。

結婚後も何回か行きましたが，宿を月岡温泉にするようにしてからは足が遠のいてしまいました。ですから，今回の出張が決まった時に是非再訪したいと思っておりました。そして初日の夜，記憶を辿りながら何とか店の前に着いてガラス越しに中を覗きました。ところが，まだ20時30分位を過ぎた程度にもかかわらず，店内にはお客が見えませんでした。二階建でしたので上階には入っていたのかもしれませんが，寂れて行く地方都市の一端の様で入れませんでした。

翌日も新潟泊でしたが，その日は一軒目を早くから始められて，また前回記した「安兵衛」でのっぺを食せ無かった事から，初めて入った時程ではありませんが腹を括って入りました。その日はテーブル席一組先客があり，また二階も宴席があったようでした。確かに大入りではありませんが，少なくともこの地にしっかり根付いたお店でした。

お好みで握り十貫，グラスビール一杯，冷酒一杯で5000円弱，人によって評価は分かれるでしょうが，私はまた再訪したいと思っています。

http://tabelog.com/niigata/A1501/A150101/15000110/