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2013/01/25 01:10
AJCC問題を検証する
先日のAJCCでは、2着馬のトランスワープが
1着馬のダノンバラードから直線で不利を受けた。
しかし入線直後、審議のランプは点灯しなかった。
そこでトランスワープ陣営から異議申し立てがあり、
審議を行ったが、到達順位通りの確定となった。
この問題に対して、少し意見を述べてみたい。
ただ、この問題については柏木集保氏が詳しく論じているので
そちらの方が参考になるだろうが、自分も見解を書いておこうと思う。
まず、新制度について問題視する意見が見られるが、
問題の本質は、旧制度・新制度ともに判定に
委員の主観が入らざるをえないという点にあるだろう。
ただ、この問題は競馬だけの問題ではない。
たとえば、フィギュアスケートや新体操などの
演技を採点する競技にも同様の問題は起こりやすい。
今回の不利がなかったとして、
はたしてトランスワープが抜かせていたかどうか?
残念ながらこの問題は、抜けたという証明もできなければ、
抜けなかったという証明もできないという点において、
JRAの裁定を批判することは難しいだろう。
次に、ごく少数ではあるが、
トランスワープの大野Jが内側を無理やり突こうとしたから、
今回の事象が発生したという意見もあるが、
これに関しては明らかに加害側に責任があると言える。
まず、原則的には内ラチは1頭分空けないといけないが
ダノンバラードは1頭分も空けないぐらいにラチを頼っている。
これは明らかな危険騎乗であり、騎乗停止は妥当だろう。
大野Jが外に出していれば問題が起こらなかったという意見もあるが
私は横の馬が寄ってきた時にその方向に向かって進路変更して
衝突を回避しようとしたケースをほどんど見たことがない。
(三冠馬に体当たりし返した3歳でJCを制した牝馬は知っているが。)
この意見は暴論であり、認められる余地は一切ない。
そして、結局、何が特に問題だったかといえば、
あんなにも明らかに審議すべきであろう事象が発生したにもかかわらず
裁定委員が審議ランプを点けなかったという点だろう。
ランプを点けなかったということは、あの刹那に
「不利がなくても先頭は交わせなかったと判断できた」か、
「そもそもあの不利を見ていなかった」としか考えられない。
そして、まともな思考の持ち主であれば前者はありえない。
今回の失態は「居眠りしていた」と言われても仕方ないだろう。
次回は、今後の改善策について考えていきたいと思う。