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2013/02/01 00:37

降着・失格の新ルールの改善点

前回のAJCC問題の続きを書きます。

新ルールについては、いろいろな意見がありますが、
採用された以上は前のルールに戻すよりかは、
改善をしていくほうが建設的かと思うので、
今回の日記では、どのように改善すればよいかという
視点で話を進めていこうと思います。
(戻した方が早いという意見は当然あるものとして。)

まず、問題なのは、
「その事象がなかったとして被害馬は加害馬を抜けたか」
という、非常に曖昧な判断基準についてです。

今回もトランスワープが抜いていただろうという意見と、
ダノンバラードのほうが脚色が良かったという意見もあり、
その判断は非常に難しいものとなりました。

そこで1つの提案としては、
「旧ルールで降着相当の事象が発生した場合には、
 当該馬の着差が●馬身差以内の場合は降着とする」
という基準を設けてしまうのも1つの方法です。

これから派生する考え方で、たとえば
「残り0〜200m地点なら1馬身差、残り201〜400m地点なら2馬身差…」
というように残りの距離と合わせて考えるのも1つの方法です。

心情的には納得はしづらいルールではありますが、
今よりは新ルールに客観性は出てくるのではないでしょうか。


そして、今回の新ルールで問題となるのは、
危険な騎乗があった場合、基本的には騎手が
ほとんどの責任を負うケースが多くなるという点です。

たとえば、従来なら降着になっていたものでも、
新ルールでは騎手が騎乗停止になるだけのケースがかなり多くなります。
この場合、従来ならば降着によって調教師の賞金も減るので、
加害馬の陣営は裁決を平等に受ける形となっていました。

しかし、今回のルールでは騎手だけが厳しい立場に置かれます。
あまり非難はしたくはありませんが、今回のケースでいえば、
ベリーSはなんとか斜行しないようにしていた努力は垣間見えました。

しかし、このダノンバラード自体が昔から斜行癖があり、
調教師の調教義務が足りていなかったという意見もあります。

つまり、今回の新ルールにおいては、調教師視点で見れば、
完全に「やり得」ができるという点において非常に問題があります。

極論でいえば、騎乗機会がほとんどないような騎手を使って、
2頭出しして、1頭をサポートするようなことも可能です。
これをやっても、加害馬の馬主にも、賞金が減るなどの
迷惑をかけるリスクは、ほとんどないと言えるからです。

厩舎所属のジョッキーであれば、固定給の保障があるので、
多少の騎乗停止に目をつぶって、調教師の言うことを聞いてしまう、
そんな腐敗した関係性が出てきてもおかしくない制度なのです。


以上の2点において、新ルールは改善の余地があると思います。
JRAが今後、どのような判断をしていくのか注目しましょう。

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