ルーラーシップの思い出（１）

愛するルーラーシップ君へ

大好きなルーラーシップがターフを去って、もうすぐ3ヶ月になります。


最初はあんまり実感はなくて、春になったらまたルーラーに会えるような気がしていました。

ですが、ゴールドシップ、ジェンティルドンナ、そしてオルフェーヴルといった有力馬の復帰戦が続々と決まっていく中で、
ルーラーの名前を見つけたのは社台の種牡馬展示会の記事…
やっぱりもうルーラーの走る姿を見ることはできないんだなと、寂しく実感している今日この頃です。


有馬の大出遅れと、角居師の「重症ですね」発言、そして引退発表。


僕は現実を受け入れたくなくて、以前はあれだけ頻繁にアクセスしていたルーラー掲示板なのに、あの引退発表以降、書き込むことも、覗くことすらもできませんでした。


それどころか競馬そのものと距離を置いてしまいました。
netkeiba.comにも繋がないし、競馬中継も見ない、レース結果も調べない、自分のPOGが今どうなってるかもよくわからない。
こんな状態になったのは競馬を始めて以来、初めてのことです。


だけど、まだ労いの言葉すらかけていなかったね。
一度しっかりルーラーとの思い出を振り返りながら、そろそろ現実を受け入れようと思います。




僕が競馬に興味を持つきっかけになったのは小6の時。
友人に「今度ダビスタ3が出るんだけど、一緒にやらないか？」と誘われたことがきっかけでした。

競馬には全く関わりがなかった僕ですが、ミニ四駆が大好きで、『最強』とか『最速』みたいな響きに弱かったので、「育てた馬どっちが強いか勝負しようぜ」という友人の誘い文句に即答でOKしたのです。


ダビスタにはどっぷりハマりました。
翌年中1でマキバオーにハマりました。
更にその翌年、中２となった1996年の6月。初めてフジのスーパー競馬を見ました。
フラワーパークが勝ち、ナリタブライアンの引退レースとなった高松宮杯でした。


その翌週のオークスで、熱発明けながら桜花賞馬を差し置いて1番人気に推され、見事完勝してみせたのが君のお母さんのエアグルーヴでした。



その秋の秋華賞の骨折による惨敗。翌年夏のマーメイドSでの鮮やかな復活。続く札幌記念の楽勝。
そして秋天、バブルガムフェローとの壮絶な一騎打ちの末の戴冠。
周りはみんなバブルバブルと言っていたけれど、僕だけはエアグルーヴの方が強いと言い張っていたこと、そしてそれが的中した時の嬉しさはよく覚えています。


続くJCもピルサドスキーに敗れはしたけど、世界の名馬と互角に渡り合えた満足感を感じました。
有馬も前崩れの展開の中で一番強い競馬をしていました。



バブルガムフェロー、ピルサドスキー、シルクジャスティス、マーベラスサンデー、サイレンススズカ、エルコンドルパサー、スペシャルウィーク、グラスワンダー、メジロブライト、セイウンスカイ、ステイゴールド（あと、戦ってないけどタイキシャトル）…
錚々たるビッグネームが名を連ねていたハイレベル時代にあって、GI勝ちは結局オークスと秋天だけだったけど、そんな強豪相手に常に勝ち負けを演じていたエアグルーヴは、特別な輝きを放っていました。


そして、あれだけ強かったにも関わらずエアグルーヴは牝馬だったため、お母さんになったら一体どんなに凄い仔を産むのだろうと、引退後の産駒の活躍が大きな楽しみになりました。



初仔のアドマイヤグルーヴは母によく似た流星とただならぬ気品、そして高い能力を受け継ぎ、GI2勝の名牝となりました。
しかし牡馬相手では大きな結果は残せず、結局母の域までは到達できませんでした。



母のポテンシャルからすればもっともっと凄い仔が産まれてくるに違いないと、毎年エアグルーヴの仔が2歳になってデビューするのを楽しみにしていましたが、 アドマイヤグルーヴ以降、素質はあっても故障や気性に悩まされて思うような成績を残せない仔が続きました。