51件のひとこと日記があります。
2013/03/20 11:25
ルーラーシップの思い出(2)
2009年春、僕は競馬歴14年目にして初めて友人とPOG対決をすることになり、POG本を買いました。
そこで馬体写真を見て最も強烈なインパクトを受けたのがルーラーシップでした。
父キングカメハメハ的なガッチリとした骨量と筋肉量を受け継ぎながら、エアグルーヴ特有のしなやかな皮膚感となんとも言えない気品を備えた馬体だと感じました。
当時はまだ種牡馬としてのキンカメは大きな結果を残していなかったので、全く走らないとかダート馬の可能性もあると思いましたが、ひょっとしたらとんでもない名馬に成長するかも…?という可能性も感じました。
POGでは確実に稼いでくれると感じた2頭(アドマイヤプリンス、レッドステラーノ…笑)に続く3位指名でゲットしました。
2009年12月27日、阪神6R。
デビュー戦の勝ちっぷりは期待を遥かに超える強烈なものでした。
3馬身半という着差も去ることながら、全身を大きく使ったダイナミックなストライドは明らかに超一流馬のそれであり、またサンデーの血が入っていないのにも関わらず馬なりでラスト1F11秒2を叩き出す瞬発力と余裕っぷりに衝撃を受けました。
サクラローレル、ナリタブライアン、テイエムオペラオーといった名馬と共通する、底力溢れる血統から稀に現れる爆発馬だと直感しました。
大好きだったエアグルーヴからついに牡馬の真打ちが登場したこと、そんなダイヤの原石をペーパーオーナーとして応援できる喜び。
たった2分間のVTRを見ただけでしたが、僕はすぐにあなたの虜になったのでした。
しかし、ここからは歯痒い時期が続きました。
2010年1月23日。
2戦目の若駒Sは長期出張から久しぶりに東京に戻って、新宿WINSで複勝19万円を握りしめての観戦でした。
道中を掛かり気味で進めて、勝負所で前が詰まったにも関わらず、ラストは勝ち馬ヒルノダムールを上回る脚色で猛追。
上がり33秒6、ラスト1Fは推定10秒台…
間違いなく怪物的なポテンシャルの持ち主と確信できた嬉しさもありましたが、勝てたレースを屋根のヘグリで落としたという感覚が強く、馬券は取ったものの僕はしばらく荒れたのでした。
3月7日、アルメリア賞。
若駒Sを落としたことで、挟まざるを得なくなった条件戦でした。
僕は再び新宿WINSで、今度は単勝27万円を握りしめての観戦。
直線も延びるし、距離短縮で折り合い面も有利になるし、ヒルノダムールみたいな強豪もいない。
自分が怪物と認定した馬がこんなところで負けるはずがない。
屋根は今回は比較的ソツなく乗ってくれましたが、外から捲って来たタムロスカイのタックルを受けて大きくバランスを崩すアクシデント。
力の違いでねじ伏せはしたものの、レース後の精神・肉体両面のダメージが心配になるレースでした。
それなのに屋根は「大したヤツや」みたいなことを言っていたようで、正直、腹が立ちました。
岩田は手が合ってないから四位あたりに早くスイッチしてくれないかなと思っていました。
3月27日。
4戦目の毎日杯は後楽園WINSで、妹を連れての観戦。
前走の反動が気掛かりだったことと、もう一頭のPOG期待馬リルダヴァルと強豪ダノンシャンティがいたため、騎乗次第では取りこぼしもあると見ていましたが、期待を込めて複勝20万円勝負。
レースはスタートで出遅れて、勝負所でも外に出さず、前が壁になったまま狭い内を窮屈そうに走り、挙句の果てには併走していたザタイキの落馬に屋根が気を取られて手綱を引っ張ってしまうという最悪のレースで5着。
唖然呆然。いろんな意味で頭の中が真っ白になりました…
5月8日。
ダービー行きの最終切符を賭けた、仕切り直しのプリンシパルS。
僕は3月にできた府中在住の彼女を連れて現地観戦しました。
待望の乗り替わりと、ベスト条件だと思っていた府中2000。
しかし過去2戦でイレギュラーな経験をして反動や精神的なダメージが気掛かりだったため、馬券は翌日のNHKマイルのダノンシャンティの複勝で勝負して、ルーラーは応援馬券だけ買いました。
しかし、テン乗りのノリ氏の素晴らしいエスコートに導かれたあなたは、久々に爆発的な末脚を繰り出して4馬身差の圧勝劇を見せてくれました。
馬券は買っていなかったけど、これまでの鬱積を一気に晴らすかのような気持ちのいい勝ちっぷりでした。
どうだ!見たか!ちゃんと乗ればルーラーはこんなに強いんだ!と、ルーラーの強さを世間に示すことができて本当に嬉しかったものです。
あなたにはこの「ものすごい悔しさ」と「たまらない嬉しさ」を何度も味わわせてもらいましたね。