51件のひとこと日記があります。
2013/03/20 11:28
ルーラーシップの思い出(5)
3月24日、日経賞。
僕は嫁との新婚旅行のため、出国前に複勝30万円だけぶち込んで、結果はフランクフルトの空港で確か3ユーロ払ってネットで確認しました。
ネコパンチを差せなかったのは、長距離でたまに起こる人気薄の逃げ馬がハマっちゃったパターンなので仕方ないとして(名前がアレなので屈辱的ではありますが)、 ウインバリアシオンに差されたことと他馬との着差に物足りなさを感じました。
ルーラーのキャリアの中で、敗因が最もはっきりしないレースでした。
不良馬場で激走したAJCCの反動があったか、この距離での道悪+ロングスパートではスタミナがギリギリだったか、はたまたその両方か…
間隔的にはAJCCから2ヶ月も空いていたので、どちらかというと後者の影響が強かったのかなと判断しましたが、それでも過去のパフォーマンスを考えるとやや不本意な走りでした。
4月29日、天皇賞当日。
僕は嫁とケンカして、嫁がどこかへ出て行ってしまった中、信じられるのはお前だけだと、すがるようにオルフェーヴルの複勝30万円をPATで購入してテレビの前に座っていました。
オルフェーヴルは全く伸びませんでした。
暮れの中山ウインターPのアドマイヤセプター複勝30万円、
年明けの未勝利戦のレッドブレイゾン複勝10万円
、2月の中山記念のトゥザグローリー複勝30万円、
そして春天のオルフェの複勝30万円…
僅か半年の間に100万円を失ってしまった。
嫁は出て行き、馬券で大損し、自分はなんてダメな人間なんだとドン底に落ちていました。
リアルに声を出して泣きました。笑
そんな僕に元気をくれたのは、あなたでした。
海外GI、クイーンエリザベス2世カップ。
スムーズなスタートから先団につけたあなたは、直線で前が開くと爆発的なストライドを全開させ、後続を引き離す一方の圧倒的なパフォーマンスを披露。
文句なしの圧勝で、悲願のGI馬の仲間入りを果たしました。
これを見て、それまでの沈んでいた気持ちが一気に晴れました。
このあと嫁とも仲直りできました。
あの時はルーラーに救われました。ありがとう。
今思えば、これが最後の勝利だったんだね。
6月24日。
海外GI馬の称号を引っ下げて凱旋し、帰国緒戦は昨年敗れた宝塚記念。
ルーラーにとっては日本競馬の悲願・凱旋門賞への挑戦を賭けた大一番でした。
ここには春天惨敗からの復権を期すオルフェーヴルも出走していましたが、直前まで出否を迷うような状態。
直前の追い切りでは気持ちこそ戻ってきているように感じたものの動きはやや迫力に欠け、やはり復調途上といった印象は否めませんでした。
ルーラーは海外遠征帰りでしたが、そこそこ間隔が空いているので疲労面は恐らく大丈夫。
あとはスムーズにスタートを切って前目で競馬ができれば、優勝に一番近い位置にいるのがルーラーだと思いました。
やや出遅れ気味のスタートから脚を使って前に取り付き、先行策から早めに進出を開始すると四角で先頭を射程圏に捉え、直線に向いて手前を替えていざスパート。
抜け出すかに思えたその刹那、内から一頭、いつの間にかスルスルと上がってきて、そのまま突き抜けてしまいました。
オルフェーヴルの鮮やかな復活劇でした。
ルーラーはオルフェから2馬身離された2着。
7分の出来と言われたオルフェに敗れ、多くの人が逆転不可能と言っていましたが、僕はそうは思いませんでした。
序盤出遅れて前に取り付くために脚を使ったこと、馬場を考えればかなりのハイペースで先行馬にはかなり厳しい展開であったことを考えると、ルーラーも相当強い競馬をしていると感じました。
昨年暮れの有馬あたりから折り合い難もほぼ改善されてきているし、馬場適性的にも凱旋門賞は出走すればチャンスがあると思っていましたが、陣営が下した結論は『国内専念』。
多くのルーラーファンが無念に思ったことでしょう。
一方、春天惨敗で凱旋門挑戦プランに黄信号が灯ったオルフェーヴルは、この復活勝利で凱旋門挑戦が正式に決定したのでした。
僕はオルフェファンでもあり、これはこれで嬉しかったのですが、ルーラーの『大ファン』としては、
「凱旋門賞馬となったオルフェと天皇賞馬となったルーラーがJCで激突し、マッチレースの末にルーラーがオルフェを破る…」
そんなドラマチックなストーリーを夢見ていました。