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2011/12/29 19:24
備忘録2
さて、最初の貢献割合の話(騎3 馬7)に戻りましょう。
先の騎手のコメントに従うと、騎手は着順の趨勢に対して30%程度の影響力しか持たないことになるかと。
名前は忘れたけど、有名なジョッキーが言ってた話を思い出します。
「騎手がやってることは馬の走りを出来るだけ邪魔しないこと。ただそれだけ」
走るのは馬だから、先の数値はやっぱり妥当なセンだと思います。
まかり間違っても人と馬の割合が逆転することはないでしょう。
で、この30%の意味、よく考えてみてください。
どれだけ素晴らしい騎乗であっても、その効果はたかだかこの範囲内でしか作用しないのです。
もちろん30%しかないからといって、騎手の技量が着順にあまり関係ないと言いたいワケじゃありません。
ただ、文句なしの好騎乗で勝利したとしても、その背後には厳然として馬の70%の貢献がある。
これは忘れてはいけないかと。
しかも好騎乗はコンスタントに発揮されるものではありません。
デムーロだってポカはするし、他の外人騎手、リーディングジョッキーだって同じ。
せっかく勝負レースでデムーロを確保しても、彼が替える前の騎手以上の騎乗をしてくれる保証は全くありません。
上手く乗って貰える確率は、まず間違いなく50%は下回ることでしょう。
複数の相手と駆け引きしなければならない競技で、勝負中どのような状況に置かれるかも予測できない。
勝利ジョッキーインタビューを見てると「ゲートを出たなりで…」というフレーズを良く耳にします。
あの言葉こそ、ジョッキー自身がレース展開を読むことの難しさを自覚してる証拠でしょう。
そんな状態で勝負するのだから、完璧な騎乗がいかに大変であるかは容易に想像できますね。
自他共に納得できるような好騎乗なんて10回に2回あれば御の字ってトコじゃないでしょうか?
無難に乗ってもらえるならまだマシです。
乗りヘグられる恐れだってある。
さらに、例の社台系への騎乗率データに従えば、リーディング上位間の騎乗技術に数値上判断できるほど差がない疑いがあり、騎手変更したところで好騎乗が望める確率は大して変わらない恐れもあります。
騎手変更には僕みたいなのが考えるだけでもこれだけのリスクがあります。
そしてそれで得られる効果も意外に小さいかもしれない。
こんなバクチ染みた戦術が勝利の方程式だなんて言えるでしょうか?
騎手変更を連呼されてる方は、こんな事後評価すらままならないような戦術を盲信しておられるのです。
ここまで騎手変更の罪悪について語りましたが、必ずしも意味がないと思ってるわけじゃありません。
やっぱり乗ってもらいたい騎手はいます。
デムーロなんかは別格だと思います。
ひときわ低い騎座やブレずにしっかり追い上げる姿。
馬の重心に極めて近い所で扶助運動が出来るので、他のジョッキーが乗ったときよりも馬は負担を感じにくいはずです。
しかも小柄な割りに腕っ節も強いときてる。
そりゃ彼が追えば伸びが違うはずです。
上で散々悪口を言ってきましたが、あの成績はやはり社台の力だけではなし得ないものでしょう。
でも、彼の主戦場はヨーロッパ。
残念ながら乗り続けてもらうことは困難です。
じゃあ乗り続けてもらえそうなジョッキーを、となると日本人ジョッキーが候補となります。
この中からとなると、コレといった人物が思いつかないんですよね。
しいて言えば岩田くんや安勝さん、浜中くんぐらい…。
ただ、彼らにしたってその他の上位ジョッキーとそんなに差があるようには思えないんですよね。
なので、僕は水準以上の技術を持った騎手の専属化と戦後ミーティングの徹底。
これが現状考えうる最強の騎手起用戦術と考えています。
乗り代わりはいつまでも反省がいかされない場合や馬の新味を引き出すための最終手段って位置づけで十分かと。
(→次に続きます)