競輪
142件のひとこと日記があります。
2012/03/27 00:06
馬体を研究しだしたワケ�� 〜相馬への挑戦から片目が開くまで〜
そんな僕が行き着いたのが相馬でした。
臓器の強さや気性など内面的な素養を見極めることはできませんが、外見に表れている部分に限り、そこが果している機能をモーメントなどの物理的観点から評価できるのは魅力的でした。
「○○筋が発達してたら少なくともコッチ方向には大きな動きができそうだ」とか、「▲▲骨が発達してたらレバー比を稼げるからスナッピーな蹴りが繰り出せそうだ」といった具合に、当該馬の能力の秘密に僅かであっても確実に踏み込んだ評価が下せる。
こんな部分に魅せられました。
もともとリンク機構を使った機械設計に興味を持っていたので、骨格の連携と筋肉の配置を考える作業は、フレームと油圧シリンダーの配置を考える作業に似ていて違和感なく馴染むことができました。
でも、世の中そんなに甘くはありません。
間近で馬を見たことすら数えるほどしかない人間が、いきなり相馬をできるはずもなく、当初は酷い成績が続きました。
ジリ脚の馬ばかり選ぶ年があれば、ダート馬・短距離馬ばかり選ぶ年もありました。
サラブレッドの進化の歴史を踏まえて大型馬を選びまくった年は、デビューできた馬がたった5頭なんて年もありました。
そんな中で定量的な評価が下せる観点がなかなか見出せず、一時期は相馬を諦めかけました。
ただ、それまでに溜め込んだ膨大な馬のスクラップ写真やＰＯＧ本バックナンバーを整理しようにも、生来の貧乏性からどうしても捨て切れず、就職してからも暇をみては馬体研究を細々と続けていました。
・Ｂ誌のパドック写真に載る一流馬の姿をひたすら見て、似たイメージをもつ馬の競争成績を追う
・相馬本にある各部位のあるべき形態について、なぜそうであるべきか文献情報も参考に仮説を立てる
・ＰＯＧ本のバックナンバーから設定した仮説に見合う馬を選び、その競争成績をひたすら調べ、仮説や発想の元となった相馬本記載の理想形態について、その妥当性を検証する。
・仮説⇒検証を繰り返す中で定量性の高い観点を抽出してゆく
上に挙げた手順を幾度と繰り返しながら、他にも色々な方法を試しました。
ラフィアンの2次募集馬と岡田繁幸さんのレビューをひたすら見比べる、なんてこともしました。
もっとも僕のレベルではあの人が何を言ってるのかイマイチ掴みきれないことも多く、残念ながら努力は報われませんでした。
筋肉の質に係るコメントなど別世界の住人の言葉に聞こえましたｗ
そんなこんなで仮説⇒検証を繰り返しながら少しづつモヤッとしたいくつかのイメージが固まり始めた頃、ディープインパクトの走法に係る研究報告がＪＲＡ総研から発表されました。
この報告のおかげで自分が立てた仮説のかなりに正誤を付けることができ、続いてＢ誌で連載されたＪＲＡ総研職員のコラムも読み込むことで、それまで組み立ててきた仮説の各ピースが1つの体系的理論として急速に確立されていきました。
このブレークスルーを得た最近では、母の馬齢や競争成績、預託厩舎など世間で一般的なテクニックも併用することで、ようやく獲得総賞金で3億以上の成績をコンスタントにキープできるようになりました。
恥ずかしながらクラシック勝ちは今のところ1勝だけですし、重賞でも入着ばかりでなかなか勝てません。
それでも指名馬の勝ち上り率だけは最低70％以上を保てています。
実際は毎年1,2頭は故障などでデビューできない馬がいるので、デビューできた馬だけで計算するともう少し高い値が出せています。
それに2勝馬、もしくはそれに近い金額を稼ぎ出す1勝馬もコンスタントに指名できているせいか、派手な活躍をする馬がいなくてもシーズンが終わるといつの間にか上位入賞している、そんなキャラクターを参加ＰＯＧ内では確立することができました。
種牡馬縛りや6月ドラフトでの一括指名が絶対の今のＰＯＧ以外に、他のＰＯＧへの参加経験がないので、ネットＰＯＧのように自由度の高い大会でどの程度の成績が残せるのかは分かりませんが、少なくとも僕の相馬理論は比較的高い確率で最低でも1勝以上を挙げてくれる馬を指名できるものではあるようです。
毎年秘密兵器として地味な種牡馬の仔やワケの分からない外車を数頭指名するのですが、メジャーな指名法では絶対指名できないようなこんな馬でもＯＰ勝ちを狙えるのが、相馬による指名法の醍醐味だと感じています。
皆さんそれぞれ思い思いのスタイルでＰＯＧを楽しまれてることかと思います。
そんな方の中には相馬と聞いて胡散臭いイメージを抱かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、素人でも突き詰めていけばそれなりに馬を見る目を養えることを知っていただけたら幸いです。
- モーメント
- シリンダー
- バックナンバー
- ディープインパクト
- スタイル
