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2012/01/21 21:39

ワールドエースその1

負けちゃった…。
ゴール前は思わず声が出た。
連には絡んでくれたから馬券的にはセーフ。
ただ期待とかけ離れた結果だっただけにイマイチすっきりしない。

さっきエースの板を覗いてきた。
ここぞとばかりにアンチが騒いでた。
単純すぎるリアクションが何だか微笑ましい。

「馬が大したことないから負けた」

だってw
区間ラップの発表すら終わってないうちにこんなコメントのオンパレード。
映像を一瞥しただけで分かるなんて、彼らはエスパーかもしれへん。
ある程度データが揃わないと分析できない自分には到底たどり着けない領域。
なんでそう思ったか教えて欲しいところだけど…まあ、ああいう輩にそんな奇特な人はおらんわな。

ところで今回のレース、条件や展開が特殊なので参考外に思える。
勝ち馬との着差は2馬身半。
上がり3Fでは少なくともコンマ5秒の短縮、33秒フラットぐらいの上がりでまとめなきゃ届かない。

33秒フラット。
そこそこ走る馬なら展開次第で使える脚。
エースが本物なら、あの位置からでも楽勝で届いただろう。
ただ、問題は今回が「道悪」だったこと。

過去10年間、主要4場の芝1600?2400mで重ないし不良で行われた全レースを検索してみた。
ヒットしたレースのうち、上がり3F34秒切りが記録されたのは426レース中、たったの9レース(ザッと見なので抜けがあるかも)。
そもそも35秒切りすら珍しい状況。

で、先の9レースのうち、最速上がりは2005年3歳500万下を制したオールピュールの33.4(今回のエースの33.6は歴代2位)
ただし、34秒切りの脚を使って勝った馬はこの仔を入れて4頭のみ(勝率1%以下)。
しかもこの4頭の勝ち鞍は全て東京でのもの。
オープンクラスに限れば34秒切りの脚で勝った馬はゼロ。
萩Sで33.9秒を使ったドリームパスポートの2着が最高という結果(今回のエースの着順はタイ記録)

この10年間に幾多の名馬が現役を過ごしてきたにも係わらず、結果はこんなモン。

弥生賞のタキオン、2着を1秒近くブッチ切ったけど上がりは38.2。
同期のジャンポケもダービーでの上がりはダンツフレームと同じ35.6。
ディープの領域に限りなく近づいたと噂されるオルフェ。
ダービーで使った上がりは34.8。
上がりだけならウインバリアシオンに負けている。

これらデータから分かることは、どれだけ優れた競走馬であっても馬場が悪けりゃ切れる脚は使えないってコト。
イバルが急激にバテることで相対的に「切れて見える」ことはあっても、その実、時計的には切れは失われてる場合が殆ど。
推進力は馬場との摩擦力や反発力に依存する。
どんな名馬でもこの当たり前の物理法則から逃れられないことを、先のデータは証明しているように思う。

自動車を考えてもそう。
レース用タイヤが鳥もちみたいにネチこいのも、F1の車が羽だらけなのも、すべてタイヤのグリップ確保のため。
64馬力の軽自動車と500馬力のスーパーカーをサーキットに持ち込んで競争させたとする。
通常の路面コンディションなら後者がブッチギリだけど、滑りやすい圧雪路面ならどうか?
路面にタイヤがグリップしなけりゃ500馬力なんて意味がない。
スーパーカーの436馬力のアドバンテージはゼロ。
むしろ車体が軽い軽自動車の方が速いかもしれない。
この路面下でスーパーカー側にスタート位置のハンデ有りでゼロヨン勝負をした場合を想像して欲しい。
結果がどうなるかなんて明らかだ。

いくら地耐力に優れた野芝馬場であっても、たくさん水を吸収すれば蹄圧を受けた際の変形は大きくなるし、崩壊限度も低くなる。
すべりの原因になる水も浮く。
つまり反発力や摩擦力を得にくくなる。

実力馬のみが持つ「強い脚力」というアドバンテージは、道悪では失われる。
この当たり前の観点に立つと、道悪馬場の結果のみでの評価がいかに危険かが分かる。

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