47件のひとこと日記があります。
2012/04/19 01:05
大井競馬場の空に向かって
4月18日、大井競馬場でイルミネーションが点滅するというので、夕方、大井を訪れてみた。
この日に合わせて、イメージキャラクターを務めている女性も来場するということ。
そのためか、場内には若い女性が多くいた気がした。
光の競馬場の演出というアイデアに、昔見たフランス映画をふと思い出した。
その映画では、ある男が、彼女の気を引くため、夕暮れ時のエッフェル塔の近くで待ち合わせをするシーンがある。
男が指を鳴らすと、それに合わせてエッフェル塔が点滅し、彼女を不思議がらせ、喜ばせたというもの。
実は、その男は、単にエッフェル塔の点滅する時刻を前もって知っていただけなのだが。
その映画は、ウィットさえあれば、金などなくても、素敵なプレゼントを彼女に贈ることができるということを告げていた。
自分はこのシーンが好きで、何度も見返したことがある。
それ以来、いつか、こんなことをしてみたいと思っているのだが、不幸にもその機会は今のところない。
メインレースが近づく頃、イメージキャラクターが登場し、点滅のカウントダウンが開始された。
楽しみにしていた自分だが、途端に、近くで観ようとは思わなくなっていた。
何となく、一人で来た自分が哀しく感じられたのだ。
ふと見上げると、指定席のラウンジ付近がなんだか輝いて見えた。
きっと、あそこには、多くの幸せそうな人達がいるのだろう。
そう感じた自分がなんとなく嫌だった。
この日、昼間はとても暖かかったのだが、薄暗くなる頃、夜風が冷たく感じられた。
気がつくと、次々と買い食いしている自分がいた。
やがてメインレースの時刻となり、ゴール前近くでファンファーレが鳴らされた。
ふてくされて競馬を見るなんて、馬鹿馬鹿しい。
気分を変えて、レースの始まりを喜ぶ周囲のひとたちと一緒になってその時を待つことにした。
目の前では、国内屈指のイルミネーションが点滅していた。
オオゾラ、カガヤケ
少々疲れた気分で、大井の空に向かって、心の中でつぶやいた。