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2019/08/09 09:50
ターニングポイント【社台SS】
キングカメハメハが種牡馬引退、ディープインパクトが死去、と、社台SS(と言うよりも我が国の生産界を支えた)の2大巨頭が生産界を去り、サラブレッド生産の鍵を握ると言われる種牡馬世界が激動の時を迎えています。
龍王やドゥラメンテ、モーリスと言った後継候補は存在するものの、やはりグループとしてのテコ入れは必須と考えたのか、ブリックスアンドモルタルの購入に踏み切りました。
既に、Deputy Minister系のマインドユアビスケッツやブリックスと同型のStorm Cat系ドレフォンがラインナップされていますが、更なる増強への手を打った訳です。
欧州のND系は日本競馬への適応性に難あり、と踏んで、同じND系でも米国のスピード競馬で結果を残した馬に触手を伸ばしている状況です。
何となく、以下の状況に似ている感じがしてなりません。
だいぶ昔の日記のネタですが、再掲します。
ちなみに1974年と言うと、社台Gを長年支えた名種牡馬ガーサント亡き後の群雄割拠時代で、その前年の1973年は、長年守り続けてきたリーディング・ブリーダーの座を西山牧場に明け渡したエポック・メイキングの年でありました。
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手元に1974年の競馬四季報があります。
社台ファームの繋養種牡馬は、
エルセンタウロ(種付料200万)
ボールドアンドエイブル(150万)
ガンボウ(150万)
ハイハット(120万)
マリーノ(150万)
ヒッティングアウェー(70万)
モデルフール(70万)
マイフラッシュ(50万)
バウンティアス(70万)
ルヴァルマラール(50万)
シオン(30万)
バーボンプリンス(30万)
こう見ると、アメリカ産のスピード系はボールドアンドエイブルとモデルフールぐらいで、むしろ欧州産の重厚なステイヤー系が多いことがわかります。
(パーソロンの全弟、マイフラッシュもいます。それなりに当時の日本向き流行血統も意識していたのでしょう。)
現在の社台王国の姿からは想像も出来ない厳しいラインナップですが、ノーザンテーストが輸入されるのは1975年ですから、1980年前後ぐらいまでは、社台の苦難の道程は続くわけです。
現在の社台一極集中を非難する方々も多いですが、彼らも試行錯誤と苦労と努力を重ねて、今日の地位を築いた事も決して忘れてはなりません。
当時の社台ファーム生産馬は「格好は良いけれど、底力に欠け、クラシックレースでは用無し」なんて言われていたのですから。
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当時も欧州系のクラシックタイプの輸入種牡馬は殆ど成功せず、米国のスピード血脈を求めてボールドルーラー系に的を絞っていた時期でした。
上記ボールドアンドエイブルはかなり成功しましたが、ボールドルーラー系が救世主となる、と言うところまでは行かず、後年の大成功はND系ノーザンテーストの登場を待つ事となります。
さて、今後の展開はどうなりますやら。
社台Gのみならず、日本競馬そのものの方向性も左右する話ですので、注目せずにはいられませんね。
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イチイチさん
設備・育成の面では他を圧していますからね。
その差はなかなか埋まりませんし、そう簡単には追いつけないでしょう。
唯一その可能性があるのは(以前から何度もしつこいですが)、日本市場の制圧にゴドルフィンが本気になった時だけだと思います。
本気になるかどうかはわかりませんが、経済的には本気になっても全くおかしくはありませんよね。
トータルの賞金や手厚い手当等は圧倒的に世界一ですから、JRAは。
種牡馬もゴドルフィンが本気で超一流を持って来ると、どうなるかわかりませんし・・・ -
イチイチさん
これからどう言う系統が伸びていくのか楽しみでもありますね。
ただ現時点での育成力が抜けてますので、まだまだ社台も強いでしょうね -
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シバサスケさん
確かにこれからはどこから駿馬が飛び出してくるかわからない時代になるかもしれません。
SS登場以前の状況に戻る訳ですね。
今までより一層、母系の重要性が増して来る事になりそうです。
種牡馬的にはバラエティに富んだ選択が可能になる事でしょう。
一口的には選択の幅が広がり、益々センスが問われる時代がやってきます!! -
シバサスケさん
ノーザンテースト以前を知らない私には勉強になりました。
一口馬主的には、これからがある意味楽しみな時代に入るのかな?
繁殖牝馬のレベルはかなり上がっているので、良い繁殖に種付けして結果が出なかった種馬は、早々に見切られるでしょうね。 -
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