1584件のひとこと日記があります。
2019/10/12 12:58
重の鬼
台風の影響で府中開催は中止、京都も重〜不良での開催が続いています。
先日の凱旋門賞でも相当な重い馬場となり日本馬は惨敗、一躍重巧者への注目が高まっている様です(?)
まァ、欧州のタフな馬場をこなすのは、日本に於ける重巧者とか言ったレベルとは違う様な気がしますが(笑)
重巧者か・・・
ちょっと歴代の重巧者を思い出してみましょうか。
【雨女 ラファール 1968生】
重巧者と言えば、まずはこの馬が思い起こされます。
タフな牝馬で逃げ馬、そして大変な重の鬼。不良馬場の安田記念をカツタイコウらを相手に快勝。
他にも東京新聞杯や目黒記念を不良馬場で2着。
「雨女」の名声・異名を欲しいままにしました。
早世の名手中島啓之ジョッキーのお手馬で、この牝馬の殆どのレースで手綱を取りました。
尚、良馬場の京王杯AHでも人気薄で逃げ切り快勝、「雨女が良馬場で勝った!!」と多くのファンを驚かせた事もありましたね。
血統的には、父はPersian Gulfの直仔テッソ(現代ではノヴェリストと同系直系)、母の父はPharos直系のオーブリオン、現代の感覚では確かにパワフルな欧州血統と言えます。
その産駒にも期待されましたが、2頭の仔を残しただけで早世、早すぎる死が惜しまれました。
古いファンには「雨女」のニックネームと共に忘れ難い馬の1頭です。
【独からの持込 重の鬼 ホッカイダイヤ 1970生】
ドイツ血統と言うと、まずこの馬を思い出します。
1970年生まれですから、あのハイセイコー・タケホープと同期生ですが、当時は持込や外国産馬自体が珍しく、その中でも独産と言うと極めて異色の存在でした。
現在の様に、ドイツ式生産が脚光を浴びる前でしたしね。
ダイヤは通算成績52戦10勝、ステイヤーズSの2着がある活躍馬ですが、何と言ってもこの馬の代名詞は「重の鬼」!!
ドイツ産馬が道悪に強い、と言うイメージは、この馬に因るところもかなりあった気がします。
種牡馬入り後も、ダイヤモンドSやステイヤーズSを制した名ステイヤーのホッカイペガサスを送り出し、BMSとしても、菊花賞3着、日経賞やオールカマーに勝った名馬ホッカイルソーを出し、我々にその名を思い出させてくれました。
父系はIsonomyやSterlingを経由したOxford系と言う現代では極めて異色の父系ですが、母系にはRibotやFairway、Gainsborough等、欧州の主力血脈が濃く存在し、それがこの馬の順応性に強く寄与したと思われます。
これからの本邦生産界も、この様な異色血脈を上手く利用して深みのある競走馬を生産してくれると面白いですね。
【アンバーシャダイ最高傑作の1頭 レインボーアンバー 1986生】
良馬場の菊花賞でも2着の名馬ですから、「重の鬼」で一括りにするのは失礼ですが、この馬を語る時にまず思い出すのは、不良馬場での弥生賞での1.7秒差(!)圧勝です。
この増沢騎手を背にした圧勝は、当時のファンから「あのハイセイコーの中山記念を思い出す」と言われた程の印象深い激走でした。
父はノーザンテーストの最高傑作、母系直系はいにしえの名牝系第二プロポンチス、ほぼ我が国の土着血統と言っても良いでしょう。
それ以外の血も、プリメロ、ハロウェー、マッチウォン等、ほぼ欧州血脈で固められています。
確かに昔は重の鬼と言われた血脈がありました。
欧州の馬場を克服するには、その方面にもアテンションを払わなければならないのは確かでしょう。
しかしながら、明らかに欧米に比べスピードの絶対値で劣っていた日本馬に、1頭の「神馬」が世界レベルの切れ味とスピードをもたらしてくれた事を決して忘れてはいけません。
それを忘れてオタオタする事は全くの本末転倒と言えます。
SSの血を如何に発展させて行くか、が、我が国の競馬界に与えられた大きな使命であるとの事を肝に銘じて進んで行きたいと思います。
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かぎしっぽさん
重の苦手なトウショウボーイ産駒のサクラホクトオーとレインボーアンバー、対照的な2頭が出走した印象深い弥生賞でしたね。
ホクトオーもレインボーも、志半ばで競走生活を断念せざるを得なかったですが、もう少し無事に走れたなら、あといくつかG1を勝っていたかもしれませんね。 -
かぎしっぽさん
レインボーアンバーの弥生賞は雨が全くダメなサクラホクトオーも出走していましたね。
顔に雨が当たるだけでダメみたいに言われる程で、重の鬼レインボーアンバーとは対照的です。
平成元年の春は雨にたたられ、ホクトオーには運がありませんでした。 -
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