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2023/05/04 22:53
日本大種牡馬列伝その9【ライジングフレーム】
代表産駒「アラブの怪物」セイユウ
プリメロ、セフト以降、ヒンドスタン登場までの大種牡馬で、主にマイル〜中距離を得意とするスピード馬を多く輩出した名馬でした。
血統的には、現代サラブレッドの祖と言えるファラリス(その直系子孫からネアルコ、ネイティヴダンサーが登場)と同じサイリーンの直系で、BMSがネアルコ、現在のサラブレッドの根幹血統とも言うべき血脈の先駆者だったと言えます。
数多くの名馬を出しましたが、ヒンドスタン程ではないにせよかなり多種多様な仔を生み出し、オークスを圧勝し、連投で臨んだダービーを3着した屈指の名牝チトセホープ、「アラブの怪物」として一世を風靡した歴史的名馬セイユウ、障害界であのフジノオーのライバルだったタカライジン、史上最強馬の1頭マルゼンスキーに最も近づいた馬ヒシスピードの祖父ヒシマサル等、印象深い産駒が多いです。
そして忘れてならないのが、「近代競馬の旗手」と言われた名馬キタノカチドキのBMSとして名を残した事で、次世代のエース種牡馬だったテスコボーイとの間にその粘り強いスピードを伝えました。
興味深い事は、ライジングフレームの次の世代の王者ヒンドスタンとの間に余り活躍馬が登場しなかった事で、当時は「負のニックス」の代表的配合と言われていた様です。
(実際のところの原因はよくわかりませんが。)
アラブでありながら当時の一線級のサラブレッドのスピードに全く引けを取らなかったセイユウ、マイラーズCでイットーとタニノチカラと言う歴史的名馬を寄せ付けなかったキタノカチドキ……
彼らの絶対的スピード能力の一端にライジングフレームの影響がある事は紛れもない事実であり、もはや歴史の中に埋もれつつあるこの名種牡馬を我々は忘却する事なく永遠に語り継いで行きたいと思います。
(追記)
アローエクスプレスを生産した三沢牧場の三沢正一氏が仰るには、「あの年(1959年)にはソーダストリームの配合相手にライジングフレームを申し込んであったが、抽選に外れ、仕方なく(?)メイヂヒカリを付けたんです。」との事。
(それで生まれたのが「寺山が最も愛した馬」名牝ミオソチスでしたが。)
ライジングフレームXソーダストリーム……
アローの兄にこんな血統の馬が誕生していた可能性もあったんですね!!
この仔が生まれていたならば、ライジングフレームの血脈も大きく広がっていたのかもしれません。
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かぎしっぽさん
コメントありがとうございます!!
セイユウだけでなく、あの「アラブの魔女」イナリトウザイのBMSもヒシマサルで、ライジングフレームはアングロアラブの血脈にも多大な影響を与えています。
当時としては、やはりそれだけ影響力の強い種牡馬だったんでしょうね。
しかし、1950年代・60年代はチャンピオンサイアーでもアラブに配合していたのですね!!
アラブも強かった訳です。
まァ、セイユウやセンジュの様なアラブの名馬を持つと、種牡馬として下手なサラブレッドより大儲け出来た訳ですからそれも頷けますが。 -
かぎしっぽさん
ライジングフレームは殆ど知識が乏しいので面白く拝読させていただきました。
産駒に牡馬の超大物が出なくて父系が続かなかった印象です。
スタミナ重視の距離体系でスピードがスタミナを凌駕する様は当時の競馬界に衝撃をもたらしたでしょう。
私は種牡馬の多様性が失われて来ている危機感を持って見ている者ですが、サンデー前までの種牡馬リーディング表の多様性が懐かしく思いますね。 -
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