この猛暑

いつまで続くか、この猛暑。もうしょがないと諦めるしかないのか。

ながちゃんが、いつまでもいつまでも私の指をなめ続ける。この間は眉毛をシャリシャリなめ続けた。おかしいよ、ながちゃん。犬じゃないんだかんね。眉に唾液がしみ付いて、ちょっと匂うのよね。

でも贅沢は言えない。ながちゃんが我家に来てもう五年。
しばらくは本棚の下のわずかな隙間にはいり込んで、じっとあたりを窺っていたのだから。
いやそれどころじゃない、夜、サッシのガラス越しにニャオ〜ンと遠吠えをしていたのだから。闇の向こうに何を見ていたの、ながちゃん。

ようやく撫でさせてくれるようになった頃、体中に丸いハゲが出来て、毎日何度も酢水でふいたね。それでもハゲはどんどん増えて、これは大変、きっと何かの皮膚病だ、このままじゃ体中の毛が抜けちゃうと病院へ行ったもんね。我家に来て三月ぐらいの頃だったかね。
これがストレス性の円形脱毛症と診断された時の驚き、息を呑んだもんね。

辛かったんだね、ながちゃん。しっぽパタンパタン（なんですか、もっとなでて）。
でも手あらってこようっと。
人も猫も秋が恋しいねえ。