189件のひとこと日記があります。
2012/11/05 16:45
写真が消える(終)
浄閑寺の歴史は古い。もともと日本橋あたりにあった吉原が、現在の地に移った時にはすでにあったらしい。今の浄閑寺は境内も墓地も整備されていてむしろ明るい雰囲気さえ感じられる。この寺をたびたび訪れたらしい永井荷風の詩碑などもあって小さな名所になっている。
その墓地の一画に、江戸時代の供養塚を改修した新吉原総霊塔がある。昭和一桁の結構頑丈で大きな石造りの塔だ。寺の過去帳によれば、ここに葬られた遊女など廓関係の人々は2万人以上。葬られた遊女の平均年齢は22才という若さだ。いくら江戸時代とはいえ驚く。遊女の過酷な生活が偲ばれる。今回の消えた写真とは、この総霊塔を撮ったもののうちの一枚だ。
ここからは本当に怖いです。また何が起こるか分からないもんね。霊感が強い人は、頭が痛くなっていませんか。もし異常を感じたらすぐ越中富山の反魂丹を飲んで寝て下さいね。
まず総霊塔の正面に立って拝む。そして正面から撮影、さらに側面へとまわった時に息を呑んだ。土台の部分に窓のようなものがある。くずれて穴が開いているのか。それにしては形が整い過ぎている。人為的に作られたものとしか思えない。ちょうど刑務所の独房に作られた小窓くらいの大きさで鉄格子のようなものまではめ込まれている。
「何、これ」
「中が見えるわ、あっ骨壺」
そう言われて腰をかがめて覗き込むと、地面近くにある穴の格子越しに、骨壺らしきものが見えます。この塔には骨壺をおさめる納骨室があったのか。しかしなぜ窓のようなものがあるのか。異様な光景に無気味さを覚えながらもパチリ。撮ったわけです。窮屈な姿勢で。立ち上がる時に、何かひんやりするものが、重くのしかかるような感じが、たしかにありました。日頃の運動不足のせいでした。
帰ってからレポートにまとめます。ちょっと迷いましたが総霊塔の納骨室の写真も貼り付けます。慣れていないので、貼り付けがなかなか上手くいきませんでしたが、なんとか終了。保存してプリントアウト。読み直すとなんと納骨室の写真が消えているのです。保存したレポートを確認するとなんとそこにも無いのです。もう一度やり直して再度プリントアウト。もうお分かりですね、貼り付けたはずの納骨室の写真は、やはりありませんでした。
結局納骨室の写真を貼り付けることは諦めるしかなかったのです。
納骨室の窓の意味とその写真がなぜ貼り付けられないのか。この謎はそのままにして置くのがいいと思っています。
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文之進さん
けんぷーさんありごとうございます。
写真はもうありませんが、たしかに私が撮影しました。 -
けんぷーさん
文之進さんこんにちは。
あまりにリアルすぎて、あたかもその場に文之進さんがいらした様な・・・おお〜恐すぎる(・・;) -
文之進さん
おはなさん今晩は。
たしかにそれを撮影する人間も怖いですね。その穴を見た時、戦場で爆弾で吹き飛ばされ、あばら骨がむき出しになった人体を連想しました。
なんというか思わず撮ってしまったんですね・・・。
こうなったら山口瞳に挽回してもらうしかありません。 -
おはなさんさん
こんにちは。不気味です。写真が消えた事もですが、納骨室の写真を撮ったことじたいが。。。恐〜いです。
教えてもらった本、借りてきたので読み始めてます* -
文之進さん
けんぷーさん今日はのんびり出来ましたか。
寒くなりましたから体に気を付けて下さいね。 -
けんぷーさん
文之進さん今晩は。
文之進さん (・人・) (、人、)平均年齢22歳に囲まれて あな羨ましい・・・(ごめんなさい)まじ怖いですねえ