189件のひとこと日記があります。
2014/08/22 21:33
カボトマの奇跡(終)
島で暮らす準備は、プロパンのボンベの栓をあけ、水道の栓をあけ、雨戸をあけ、家を生き返らせるほかに、まだ大事な仕事があるのです。
猫の額より小さな庭に、穴を掘ることです。今年の夏は少し大きめに、20×30、深さ15センチほどの穴にしました。生ごみをここに捨てます。猫やら蟹やら狸まで、食べに来てくれます。狸は深夜、一家で来ます。暗闇の中で目だけが光る家族の晩餐です。
この穴は帰る日に埋めます。したがって帰る前日は、猫や狸たちにとって、余った食材のフルコース、スペシャルディナーが並ぶのです。
ああ、あした帰るんだなと察知した狸たちは、次の日には正装して、明子姉さんに化けて、かげながら見送ってくれるのです(すいません、嘘です)。
そして次に帰ると、すべてが土に返っているという仕組みですね。
そうです、この穴が、あのカボトマの奇跡を起こしたのでした。
生け垣(2m弱、カイヅカイブキ)を乗り越えて伸びたツル二本、一本にはカボチャ4個、もう一本にはトマト2個が、ぶら下がるように生っていたのです。ツルをたどると、生ごみの穴のあたりまで伸びて、すでに茶色に枯れていました。
何たる生命力、生ごみとして捨てられても種は死なず、子孫を残すために必死に芽を出し、ツルを伸ばし、最後の力を振り絞って実をつけ、そこで命が尽きたのでした。
♪
命枯れても 夢よ枯れるな
二度と咲かない 花だけど
夢の 夢のかけらを
そっと そっと心に
ああ〜 永久にちりばめ
食べずに 愛して
いつ いつぅぅぅ〜までも〜
前川清なら歌うだろうな、きっと泣きながら。
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matugen応援団さんがいいね!と言っています。
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文之進さん
おはなさん素晴らしいです。
まるで犬と猿の友情のような、種を超越した連帯ですね。カボトマは二重の意味で奇跡だったんですね。トマトを味わわなかったことが残念でたまりません。 -
おはなさんさん
あっ…そりゃそうですよね(*_*;じゃぁ、こうしましょう!
同じ釜のメシ(土)を食ったもんどうし!実をならせるぞと同じ目的を共有したとき、、、奇跡は起きた☆彡 -
文之進さん
おはなさんありがとうございます。
カボチャとトマトは同じ親からでしょうか。本体は枯れているのではっきりしませんが、違うような気がするのですが。 -
おはなさんさん
ブラボーです文之進さん!前回のカボチャとトマトはやはり同じ親から生まれた兄弟たちだったのですね!道理で仲良く見えました。味なんかどうでもいいです。。。。奇跡です……愛の奇跡♪
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おはなさんさんがいいね!と言っています。