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2012/03/29 04:04
自己紹介に代えて……4
そうこうしているうちにサンデーサイレンスが登場した。
これはもうとんでもない出来事であった。
トニービン、ブライアンズタイムと続いたすぐ後にやって来た。
誇張抜きでサンデーサイレンス産駒であれば何でも走った。
牡馬も牝馬も新馬戦を勝ち、3歳(現在の2歳)チャンピオンになり、クラシックも入れ替わり立ち代り活躍馬が現れ、古馬になっても衰えない。
対応を迫られ、必死になって母系を調べ分類した。
何しろ違いは『母の父』しか無い。
元々、血統には興味はあった。
がしかし、分厚い血統辞典をいちいちめくるのは煩わしいし、丸暗記するなんて不可能だった。
そもそも『暗記が嫌い』という理由で理系に進学したのに、いまさら老化の始まった頭で勉強を始める気なんてサラサラ無かったし、全てのサラブレッドの父は3頭に行き着く訳だから、それを分類し始めたら、結局は個々の馬の特徴を抑える事と代わりが無くなってしまいそうだった。
無策のまま『サンデーサイレンス産駒が少頭数のレース』だけ参加していると、恐ろしい事に、故障で引退が早まったフジキセキが種馬になった。
案の定、フジキセキの産駒も走った。
更に恐ろしい事にサンデーサイレンス以外の所謂『ヘイロー系』と呼ばれる種牡馬も続々目立ち始め、完全に私の手には負えない状態になってしまった。
結論から言うと、今でもこの血統の問題は解決していない。
いや、解決なんて永遠に出来ないであろう。
その代案として『コース適性』を重視するように方針を変更した。
それまでは『距離別』にしか分析していなかった物を、『○○競馬場の1600m』と『□□競馬場の1600m』では全くの別物と考えるようにしたのである。
『右回り』と『左回り』にしか区別していなかったデータを10場に細分する、単純な事なのだが私の頭の中には無かった発想である。
苦労してたどり着いた道だが、当然のように不完全であった。
一晩かけて立てた仮説が、能力の高い人気馬にいとも簡単に破られてしまう事が多発したのだ。
「遺伝的に適性はあるのだが悲しい事に生まれつき脚が遅い」
そんな馬を買い続ける暗黒の時代の到来であった。
〜つづく(と思います)〜