お姫さまと若者

　　　　　お姫さまと若者

　昔、或るお城に、お勉強好きなお姫さまが住んでいました。

それは、その国の学者も呆れるくらいに、毎日楽しく、お勉強を

していました。自然科学、語学、詩学など普通の学者以上の知識を

持っていました。噂を聞きつけた、無学な若者は自分の行くべき

道を伺いに参りました。しかし、なかなかお姫さまは、会って下さい

ませんでした。でも若者は、けっして諦めませんでした。

４日後に、ようやく会って下さいました。

　お姫さまは、無学な若者に、なにがききたいのじゃ、と云いました。

若者は、わたしのこれからすべき道をお教え下さい、とお姫さまに

申し上げました。ちょっと考えた、お姫さまが若者にある言葉を

告げられました。若者は、そのお宝の言葉を胸に仕舞いながら、

城をあとにしました。家に帰った若者は、お宝のその言葉を

反芻しました、何回も何回も。すると突然若者の目から大粒の

涙がでてきました。

　それから出家して、２度と国へ戻りませんでした。

国の人も若者の噂は届きませんでした。



教訓　真実は人を傷つけるものです。真実よりこころを大切に．．．



＜インフォ・シークに掲載＞
2003/08/01 22:04 (Fri)