きこりと斧　　ブラック童話

　　　　　きこりと斧

　昔の或る日の事でした。今日も元気に山に入った、きこりさん。

木を倒そうとして、打とうとした瞬間、手を滑らせて、持っていた斧を

湖に落としてしまいました。途方にくれたきこりさんでしたが、

湖の中より、斧を持った神様が、金の斧をさしだし

お前の落とした斧はこれかと言いました。

私のは普通の鉄の斧です。ありましたら、お願いしますと、神様に

頼みました。すると、また神様が上がって来て、鉄の斧、金の斧、

銀の斧、銅の斧、４本持ってきこりさんに、お前は正直者だから、

金、銀、銅の斧ももっていくが良い。と言いました。

きこりさんは辞退しましたが、神様が強く勧めるので、

持って帰りました。


　噂を聞いた、怠け者のきこりは、しめた俺もやろうと、

湖に行きました。そして、刃がこぼれ錆びた斧を湖に投げ込みました。

でも、神様は出てきません。怒った怠け者のきこりは、

石を投げ込みました。するとほどなく、

頭に斧が刺さって血だらけの神様が浮いて来ました。


　それ以来、神様はいなくなりました。


＜インフォ・シークに掲載＞

2003/08/01 01:20 (Fri)