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2015/12/16 19:36
朝日杯FSとホープフルS
去年も同じようなことを書きました。去年の記事を読んだ方は繰り返しになりますが、はじめて読む方を念頭に置いて書きます。
朝日杯FSは去年から施行場所が中山競馬場から阪神競馬場に変わりました。この理由は、JRAが朝日杯FSを2歳馬の唯一のG1レース(阪神JFは2歳牝馬限定G1)として、2歳チャンピオンを決めるレースに位置付けたかったのですが、その狙いとは裏腹に、関西の有望な素質馬がこのレースを回避して、阪神で行われるラジオNIKKEI杯(2000m:去年より廃止)に出走するようになり、実際、朝日杯優勝馬からは翌年のクラシックの活躍馬があまり出なくなったからです。
かつては、メリーナイス、サクラチヨノオー、アイネスフウジン、ミホノブルボン、ナリタブライアンなど、朝日杯FSの勝ち馬から翌年のダービー馬が輩出されることが多かったのですが、1993年にナリタブライアンがダービー馬になって以降、朝日杯FSの勝ち馬からダービー馬は出なくなりました。
高い素質を持つ関西馬が朝日杯FSを回避する理由は、大きく2つあると思います。1つは長距離輸送です。2歳馬の長距離輸送にはリスクが伴います。栗東から輸送距離が長い中山競馬場が敬遠されたのだと思います。もう1つの理由は、中山1600mのコース形態にあります。
中山1600mは、内枠や先行が有利です。そのため、勝つためにはスタートから強いダッシュをかけて、先頭争いに加わり、前目の位置を取らなければなりません。また、早めに仕掛けないと届かないことが多いのです。2歳でこのようなレースをさせると、中長距離を走るときに掛かることが多くなり、前半で脚を溜めることが難しくなります。東京2400mで行われるダービーの勝利を目指すうえで都合が悪いのです。
朝日杯FSを勝った牡馬は、だいたい最優秀2歳牡馬に選出されます。しかし、その馬は翌年、その名にふさわしい活躍をあまりしません。つまり、朝日杯が最優秀2歳牡馬を決めるレースになっていないことを表しているのです。
JRAの幹部たちは頭を悩まします。どうすれば朝日杯FSが、有望な中長距離馬が集まるレースになるのか。そこで考え出された策が、朝日杯FSを阪神競馬場へ持って行って、2歳のスプリンター・マイラーNo.1を決めるレースにして、中山に中長距離No.1を決める新しいG1レースを作ろうというものです。
つまり、それに当たるレースがホープフルS(G2:中山2000m)です。ただ、国際基準に基づいたG1レースになるためには、専門機関の審査が必要なので、それに合格するまではG1レースの称号をつけることができません。あるレベルの馬が出走するようになって初めて審査に合格できます。したがって、G2レースとしてスタートするしかなかったのです。
レベルの高い出走馬を集めるために、賞金はG1レース並みにしています。G1の朝日杯FSが1着賞金7000万円、阪神JFが6500万円であるのに対して、ホープフルSはG2なのに6500万円です。同じG2の京王杯2歳Sとデイリー杯2歳Sは3600万円です。これは明らかに賞金を高くして、レベルの高い馬が集まるようにして、G1レースに認定されることを狙っているのです。
ホープフルSがG1になることによって、マイラーは朝日杯に、中長距離馬はホープフルSに出走して、それぞれのチャンピオンを決めるということになります。2歳最優秀牡馬は、そのレース内容によって決まるということになります。また、有馬記念を盛り上げるために、同じ日に実施して、JRAでは珍しい、同一日複数G1レース実施が実現するのです。
果たして、現実はJRAの目論見通りなるのか。ホープフルSがダービー馬を多く輩出するレースとなるのか。まだまだ予断を許しません。ただ、ラジオNIKKEI杯が廃止されたので、中長距離の2歳馬が出走できるレースが限られたことは確かです。だから関西の有力馬が中山に遠征してくるのか、それとも輸送距離が短い阪神の朝日杯に出走するのか、あと何年か様子を見る必要があります。
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ホワイトヤンキーさん
朝日杯FSはマイラーとスプリンターの、ホープフルSは中長距離馬のチャンピオンを決めるレースにしたいのであれば、朝日杯FSを1400mか1200mに変更した方が良いと思います。そうすれば、さすがにクラシックを狙う素質馬はホープフルSを選択するでしょう。1600mのままだと、2歳の中長距離馬なら適鞍になります。
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ホワイトヤンキーさん
シュウジとボールライトニングは血統的に1600mの方が良さそうだけど、エアスピネルとシャドウアプローチは2000mの方が良さそうなのに、中山には来ませんでしたね。
賞金を上げても、ホープフルSに関西の好素質馬はなかなか来てくれなさそうですね。 -
風の又三郎さん
ちょっと、話はズレますが、アンカツさんの言葉を借りると、阪神マイルはタフなコースだから、阪神ジュベナイルや、桜花賞で勝ち負けする馬は、東京2400も大丈夫だと
言ってたんで、
近い将来、朝日杯の勝ち馬がダービー制覇という事もまたあるかもしれませんね(*^^*)
そんな訳で、去年のダノンプラチナが、クラシックに乗る事を期待してましたが、あの馬はマイラーっぽいですね〜。 -
まめ仙人さん
とりあえず賞金稼いだ馬は中山にださず、春からというパターンもありますね。
ダービーを目標としている関西馬は東京コースに輸送したいのでは?


