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2017/11/06 11:10

キタサンブラックの斜行について

今年の天皇賞・秋で優勝したキタサンブラックは最後の直線で大きく外側に斜行しました。その際にグレーターロンドンと接触しそうになり、一部のファンから走行妨害ではないかという声が上がりました。実際には審議の対象にはならず、戒告・過怠金(罰金)・騎乗停止などの制裁は一切ありませんでした。ちなみにこのレースで武豊騎手は「発馬機内での御法(突進された)について戒告」を受けています。

それでは、キタサンブラックが斜行したにもかかわらず、なぜ武豊騎手は制裁を受けなかったのか。JRAのサイトでは「斜行:競走中、馬が斜めに走ること。騎手が注意義務を怠ったものと認められ、他馬の走行に影響を及ぼした場合には制裁を科される。」と定義しています。ここでは「他馬の走行に影響を及ぼした場合には」という内容が重要です。つまり、斜行しても他馬に影響を及ぼさない場合は制裁を科されないということです。

キタサンブラックが外側に斜行してグレーターロンドンに寄って行きましたが、それがグレーターロンドンの走行にあまり不利な影響を与えなかったと判断されたのです。もし、グレーターロンドンの外に馬がいて、グレーターロンドンがその馬とキタサンブラックに挟まれて大きく不利を受けた場合は、その原因を作った馬の騎手が制裁を受けます。

つまり、斜行は、どれぐらい大きく斜行したかではなく、どれぐらい大きな影響を与えたかで制裁を受けるのです。極端に言うと、1mの斜行であってもその斜行によって大きな被害を受けた馬がいれば重い制裁を受けますし、10mの斜行をしても他馬に大きな被害を与えなければ制裁を受けないということです。ただし、大きく斜行して、それがレースの結果に大きな影響を与える場合はまた話は別です。つまり、まっすぐ走らせれば1着だったのに、大きく斜行して負けてしまったとか。

ちなみに、キタサンブラックは2着のサトノクラウンにクビ差まで迫られましたが、キタサンブラックは4角まで馬場の悪い内をずっと走り、相当スタミナを使っていたので、それでも勝ったということは、やはり実力の高い馬であると思います。

ちなみにこのレースの武豊騎乗の騎乗内容を「神」だとかもてはやす人がいますが、それは武豊騎手に失礼でしょう。彼ならこれぐらいの騎乗は当たり前にできます。さすがに簡単な状況ではなかったので、多少は緊張したとは思いますが、十分彼の適応範囲だったと思います。これを「神騎乗だ」だと言われると、「日本人はどんだけ下手なんだよ」と思います。日本人騎手がみな「これぐらい当たり前」と言われるようなレベルになって欲しいです。

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