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2018/01/22 10:42
アメリカJCC、回顧
■レース展開
負けたミッキースワローの問題はダンビュライトとの距離ですね。前半どのぐらいの距離を保って追走するかが問題だと思います。ダンビュライトはスタートして前に出ていきます。そして外からマイネルミラノが来るのを待って、それを先に行かせて2,3番手の位置をキープします。非常に上手ですね。
一方、ミッキースワローはスタートがやや遅く、スタート直後に他の馬に前に入られて壁ができ、自分では動けなくなります。そのまま馬なりで最後方近くの位置取りとなり、早くも不利な状況になります。なぜなら、このレースは事前にハイペースになることはなく、むしろスローペースになることが予想されていたからです。だからデムーロはスタート直後に出て行ったのだと思います。もしハイペースが予想される場合は後ろに下げると思います。したがって、ミッキースワローの位置取りは不利であると言えます。
ダンビュライトは2,3番手、ミッキースワローは9番手で前半の1000m通過が61.3秒で、速くもなく、遅くもなく、ミドルペースで、実力通りに決着するペースです。問題はハイペースでもないのに隊列が長くなったことです。普通ミドルペースであればもっと馬群が凝縮するはずですが、1番人気のミッキースワローが後方に控えているので、多くの馬が前を追いかけなかったからだと思います。
それならば途中で位置取りを上げればいいのではないかと思うでしょうが、中山の2200mはカーブが多く、位置取りを上げるためにはかなり脚を使います。前半にはそれはやらない方がいいと思います。ここでじっとしていたことは仕方ないと思います。でも、状況はさらに不利になりました。
1000mを通過してミドルペースで12〜13馬身の差は、横山騎手もさすがにやばいと思ったのでしょう。スパートをかけます。ここからまだ残り1000m。ロングスパートになります。ミッキースワローはダンビュライトとの差をどんどん詰めていきます。その間、ダンビュライトは少しペースを上げますが、しっかり脚を溜めてラストスパートに備えます。
そして最後の直線。ダンビュライトはミッキースワローのラストスパートを余裕でかわしてゴールインします。しかし、1000mのロングスパートで2馬身差まで迫ったミッキースワローの実力は高く、ひょっとしたら実力はダンビュライトより上かもしれません。ただ、ダンビュライトもゴール前は手綱を緩めているので最後まで追えばもっと伸びていたでしょう。
■騎手の騎乗について
ここで横山典騎手の批判をするのは簡単ですが、日本の競馬ファンは騎手批判には否定的で過敏なので極力控えめにします。横山騎手はその時々のレース展開に逆らうことなく、馬の走る気を大切に無理をすることなく騎乗する一流騎手です。今回は馬のスタートが悪く、仕方なく後方追走をすることになり、コース形態からいって途中で位置取りを上げることは馬に負担をかけるのでやらず、かといって1番人気なので勝ちに行かなければいけないのでロングスパートをかけなければならなかった。そして勝てはしなかったけどしっかり2着に持ってきた。とてもいい騎乗だったと思います。ハイペースになるとか、デムーロ騎手が乗り方を間違えていたら勝っていたでしょう。展開が向かなかったのが敗因だと思います。馬は強かったと思います。これでどうでしょうか。


