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2018/10/20 10:50
山田敬士騎手の処分がなかなか決まらない理由
皆様、おはようございます。ニュース投稿は削除されずに残っています。やはり、山田敬士騎手への投稿が削除されるようです。ところで、山田騎手の処分は決定したのでしょうか。ネットでいろいろ検索していますが、続報は無いようです。現在の騎乗停止処分は正式な処分が決定するまでの暫定的処分です。正式な処分が決まるまでずいぶん時間がかかっているようです。その理由を考えたのですが、これはレースの成立、返還問題と絡んでいるので難しいようです。
もう一度事件を整理してみます。山田騎手はレースの距離を間違えて、1周目のホームストレッチでスパートして、ゴール通過後、手綱を緩めてコースの外に馬を誘導して減速させました。2角通過後、レースが続いていることに気づいてレースに復帰しました。ただ、馬には余力はなく、最下位でゴールしました。
これは、騎手がレースに勝つために馬の能力を最大限に引き出す努力をするという義務に違反しています。つまり、不正(正しくない行い)があったということです。ということであれば、速やかに過怠金や騎乗停止処分を出せば済むはずです。ただ、今回は暫定的な騎乗停止処分はすぐ出されましたが、正式な処分はいまだに出されていません。これはなぜなのでしょうか。
ムチや手綱を間違って使うことや斜行などで他馬の走行を妨害することは、騎手の不正として処分されます。一方、位置取りを間違える、コース取りを間違える、追い出しのタイミングを間違えるなどの騎手のミスは、調教師などに叱られるかもしれませんが、JRAからの処分はありません。
今回の件は、スパートするタイミングを間違えた、コース取りを間違えたと考えると、JRAからの処分が下せるのかどうか、微妙になります。1周目のホームストレッチでむちを入れた方が良いと思った、1角過ぎに大外を通った方が良いと思った。騎手がそう証言したら、果たしてJRAはどんな理由で処分するのでしょうか。
今回は騎手がレースの距離を間違えたと認めているので、「距離錯誤による不正な騎乗」として処分されるのでしょう。それであれば、1〜2か月の騎乗停止で済むはずです。ただ、これは前例がないので、この処分が今後の処分の基準になります。ですからJRAは慎重に協議しているのだと思います。
もう一つの視点は、レースが成立するのかという問題です。レース中、走行妨害や落馬があってもレースは成立します。今回も騎手の不正がありましたが、レースは成立しています。ただ、今回は単なるスパートのタイミングのミスやコース取りのミスとは違い、馬の勝つ可能性を完全に消滅させるミス(不正)なので、事態は深刻です。
普通のスパートのタイミングやコース取りのミスは、馬が挽回することは可能です。また、1着は無理でも2着に、あるいは3着に来ることはできます。でも、今回の騎手のミスは馬がどんなに頑張っても馬券に絡むことは不可能です。明らかにレースの結果を決定付けるミスです。これは馬券を買ったファンからすれば、「いかさまだ。金返せ。」と言ってもおかしくありません。よくファンの暴動が起こらなかったと思います。この点、JRAの対処はすごいと思います。このサイト(JRAと関係があるサイトです)の投稿の検閲や予防削除もすごいと思います。この問題について議論さえさせない。そして、正式処分を遅らせているのは、マスコミやファンの関心が薄れるのを待っているという面もあると思います。
JRAは山田騎手のミスは絶対許さない。重い処分を科したい。しかし、あまり重い処分を下してしまうと、レースの成立を疑問視する声が上がってしまう。レース不成立・返還はしたくない。この辺りのジレンマで悩んでいるのでしょうか。私の予想では、騎乗停止1か月だと思います。その上で山田騎手の自主的な騎手免許返納になると思います。今、JRAから山田騎手に免許の自主返納と騎手引退を説得しているのだと思います。
自主返納、自主引退なら、JRAの処分では無いので、彼の経歴には傷はつかず、再就職しやすいと思います。もし、このまま騎手を続けても、彼に騎乗依頼する馬主がいるでしょうか。高い金を払って馬を買い、毎月厩舎に預託料を払い、やっと2番人気でレースに出せる。楽しみに競馬場に見に行った。そしたら1周目にいきなり騎手がむちを入れてスパート、1角過ぎに大外に寄れて減速した。故障発生? そうしたら向上面で再びレースに復帰。最後は最下位でゴールイン。このときの馬主の気持ちを考えると、胸が痛くなります。JRAの努力でどうにかレースは成立して、億単位の損害を出さずに済んだ。しかし、JRAの公正な競馬を目指すという趣旨に反し、JRAの信頼を大きく損なった。本来なら追放されてもおかしくありません。

