天皇賞・秋、回顧（アクシデントがあった）

新聞にデムーロのコメントが載っていました。検量室でレースビデオをじっと見ながら、「スタートでマカヒキにぶつけられた。それがすべてだ。」と語ったそうです。私もさっそくレースビデオを見ました。スタート直後、マカヒキが左に大きく寄れてスワーヴリチャードに接触しています。同時にスワーヴリチャードは左のレイデオロとも少し接触した感じです。これによって、スタートダッシュが全くできす、後方に取り残されました。レースの流れにまったく乗れず、馬も走る気を無くしてしまったそうです。

これがレースの中盤以降に起きると走行妨害として制裁対象になりますが、レース序盤では、被害馬がまだ挽回可能であると判断されて走行妨害とはならないようです。ただ、1番人気の馬が、これによって大きな不利を受けたのですから、無罪放免で良いのかなあという疑問が残りました。

古い話ですが、メジロマックイーンのときはレース序盤でしたが、しっかり走行妨害を取られました。あの頃は走行妨害即降着ですから、１位入線のメジロマックイーンは１８着に降着。あのレースはライブで見ていましたが、審議中に今は亡きおばあちゃんが、「１着の馬が怪しいよ」と言っていたのが今でも耳に残っています。あの頃は、審議中はパトロールビデオ（縦からの映像）は決して放送しませんでした。よく分かるなと感心しました。

ただ、スワーヴリチャードは１０着、マカヒキは７着ですから、マカヒキが降着になったとしても１１着、スワーヴリチャードは繰り上がっても９着ですから、大勢に影響はありません。

あの接触で武豊騎手にまったく制裁が無いというのは、あれぐらいの接触はよく起こることだということでしょう。もし後輩がやったら、検量室で先輩から怒られると思います。先輩がやったら、シカトでしょう。デムーロから見れば武豊は先輩ですから、何も文句は言えないでしょう。もし逆だったら武豊騎手が嫌味のひとことでも言うのではないでしょうか。

とにかく、不利を受けるのは、その馬に力がない、運がない、調子が良くないということです。今回のスワーヴリチャードは、やや調子が悪かったのだと思います。少なくとも絶好調ではなかったのでしょう。