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2014/11/03 11:20
バブルガムフェローの天皇賞秋
今回の天皇賞秋では、イスラボニータの参戦で、3歳で天皇賞秋を制覇した馬としてシンボリクリスエスとバブルガムフェローの名前がよく出てきました。でも、個人的にはバブルガムフェローの天皇賞秋は、かなり幸運なものだったと思っています。
バブルガムフェローは3番手で先行して、最後の直線でもスムーズに抜け出して、2着のマヤノトッブガンを1/2馬身抑えて完勝しました。一方、サクラローレルは後方を追走して最後の直線で追い込んで来たのですが、外に出さずに馬場の真ん中に進路を取ったので、直線の中ほどで周囲を他馬に囲まれて100mほど追えなくなってしまいました。残り100mほどで前が開いてバブルガムフェローに迫ったのですが、マヤノトップガンにクビ差まで迫るのがやっとでした。
この騎乗について、境勝太郎調教師はインタビューで騎手の横山典弘をめちゃくちゃに批判しました。その内容はよく覚えていないのですが、めちゃくちゃ下手な騎乗だったというものだったと思います。私も同感でした。横山騎手が大きなポカをしたと思いました。当時の馬の実力から言って普通に走ればサクラローレルがバブルガムフェローに負けるはずがないと思っていました。
しかし、なぜか馬券はサクラローレルとバブルガムフェローとマヤノトップガンの馬連ボックスを3000円ずつ買っていたので、25倍の馬連が的中したのを覚えています。(横山騎手を弁護するなら、16番枠からのスタートで、位置取りがかなり後方になってしまい、4コーナーで大外を回すと届かないと思い、最後の直線で内に切れ込んでいったのだと思います。境調教師としては、馬を信じて最後の直線で距離損はあっても外に出して追い込めば、勝てたと思ったのだと思います。実際、前が詰まって100mぐらい追えなかったのに、1着から0.2秒差なので、境調教師の方が正しかったと思います。)
後日、さすがに境調教師は言い過ぎたと思ったのか、記者のインタビューで横山騎手を侮辱したことを訂正しています。サクラローレルはその後ジャパンCをパスして有馬記念に出走しますが、境調教師は怒りを鎮めて引き続き横山騎手に手綱を任せます。
その年の有馬記念には、後に宝塚記念を勝つマーベラスサンデー、天皇賞2着のマヤノトップガン、秋華賞1着、ジャパンC2着のファビラスラフイン、女傑ヒシアマゾン、オークス馬のダンスパートナーなどの実力馬が出走しましたが、ファンはサクラローレルを2.5倍の一番人気に支持します。
横山騎手も今度は6番手の内で追走して脚を溜めて、3コーナー手前で外に出して、3コーナー過ぎて外からまくって、直線入り口では先頭に並びかけ、ゴール前は食い下がるマーベラスサンデーを2.1/2馬身引き離して快勝しました。横山騎手は完璧な騎乗をして天皇賞秋のエラーを挽回しました。
バブルガムフェローのファンの方には申し訳ないのですが、今でもバブルガムフェローの天皇賞秋は運が良かったのだと思います。バブルガムフェローは天皇賞秋を勝った後、ジャパンC13着、翌年は宝塚記念でマーベラスサンデーに、天皇賞秋ではエアグルーヴに、ジャパンCではピルサドスキーに負けています。
とにかく3歳で天皇賞秋を勝つのは大変だということです。1年先輩、2年先輩、それ以上の先輩と勝負しなければなりません。距離の問題はありますが、菊花賞とは数段上の実力馬と戦わなければならないということです。ただ、これがジャパンCや有馬記念になると、3歳馬が意外と健闘します。3歳秋の1か月、2か月でサラブレッドが大きく成長するのかが分かります。
今年の天皇賞秋に挑戦したイスラボニータは、15番枠からスタート後に、前の位置を取りに行くために脚を使いました。それでも3着と好走しました。非常に強い馬だと思いました。(フジテレビのアナウンサーが「イスラボニータ、掛かったのか、掛かってしまったのか」と言っていたのを聞いて、思わず、「違うよ、位置取りを上げてジェンティルドンナに合わせに行っているんだよ」とテレビの前でツッコミを入れてしまいました。フジテレビのアナウンサーにはもっとレースをよく見て欲しいと思いました。)