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2015/02/07 00:03

JRA競馬学校、少数教育(その2)

JRA競馬学校には毎年10名ほどの生徒が入学して騎手になるための教育を受けています。中途退学者が出て、3年後に卒業するのは半数の5名ほどになるそうです。学校としては生徒の数が少ないといえます。今回は少数教育の長所と短所を考えてみます。

生徒が少ないと、生徒のレベルに合わせてきめ細かい指導ができます。これが少数教育の長所です。しかし、生徒のレベルが低いと、そのレベルに合わせて指導することになるので、当然指導のレベルも下がります。これが短所です。

つまり、生徒が多いときは、指導のレベルを高く保ち、生徒はそのレベルについて行き、ついて行けなくなった生徒は脱落します。しかし、生徒の数が少ない場合は、これができないのです。脱落者が続出して生徒がいなくなっては困るのです。毎年最低限の新人騎手を養成する必要があります。

レース形式の訓練をする時、教官は無線で生徒に指示を送ることができます。そのときの指示は、「前半は抑えて、後半でしっかり追う」です。したがって、馬が掛かって前半からハイペースになると、教官は生徒を厳しく叱ります。とにかく前半は馬を抑えなければならないのです。これがJRA競馬学校出身騎手のトラウマとなっています。

前半は何が何でも馬を抑えなければいけない。どんな馬であろうと、どんな状況であろうと、とにかく手綱を引いて馬を抑えなければいけないという固定観念があるのです。騎手が手綱を引かないとえらいことになるという恐怖感を持ち続けているのです。この固定観念と恐怖感が自由自在の手綱さばきの邪魔になっています。

話が横道にずれましたが、私が言いたいことは、少数教育の場合、指導者が指導し過ぎることがあるということです。余計なことまで教え過ぎるのです。それが生徒の自主性や創造性を損ねる場合があるということです。指導者は基本のみを教えて、後は生徒に自由にやらせる、工夫させるのが理想です。それでだめな生徒は脱落していくのです。少数教育の場合これができないのです。

今回は私の持論がかなり多くなりました。事実から離れてしまったかもしれません。次回は客観的な考察に戻りたいと思います。

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