ぼくがむかし野球場で警備員のバイトをして

ぼくがむかし野球場で警備員のバイトをしていた時、一度だけ清原さんが来たことがあった。
向こうからやってくる清原さんに敬礼をするとつかつかとぼくのところに向かってきて、何をするのかと思ったらひょいっと敬礼を返してくれて「めっちゃきれいな敬礼やな」と言ってくれた。
そのときまわりにいた記者たちからなんともいえない弛緩した空気が漂ったのを覚えている。
あのときは、なんでこの記者たちこんなピリピリしてたんだろう…と思ってたけど、今にして思うといつも清原さんのそばにいる人たちは彼の奇行や感情の激変を見慣れてたんだろうな。それで、またか…と一瞬身構えてたんだろう。
清原さんのことはいまでも好きだ。
ぼくは清原さんの記録が好きなわけではないので、これで野球界から永久追放されようがデータから抹消されようが関係ない。
ただ、卑屈にならないで欲しい。自分を安売りしないで欲しい。