孟徳ファーム日記“世代”

シャナは今重賞戦線で頑張っている。

ヴィルヘルミナはピークが過ぎてしまい陰りが見えてきた…

対照的な二頭…

馬主の自分も苦悩を隠せない…

曹“(正直ヴィルヘルミナは限界に来ているしかし能力は上がり切れていない決め手になる能力はあるのだが気性の悪さというネックがどう影響が出るか…後継をさせるべきか…それともそのまま引退させるべきか…)”

毎日動揺を隠せずに日々を過ごしていた。

暫らくレースに走っていたが少し間隔が空き、牧場にいた。

しかしシャナの表情には何か寂しげであった…

シャナは走らせるたび、必ず壁が待ち構えていた…

自分よりも圧倒的に強い馬が何処にでもいた。

しかしシャナはその壁にぶつかっていく強い仔であった。

でも走るたびぶつかり続け自分に疑問を抱いていた…

そして共に戦ってきたヴィルヘルミナの衰えを感じていた。

そしてシャナは孟徳の苦悩も知っていた…

だからシャナは色んな事を背負い込んでいた…


ある日の夜。

静かな牧場にシャナは切なく歌いはじめた…

Highest Life

ぼろぼろのままで毛布に倒れ
どうしてこんなにむきになっているんだろう
ふとよぎった

登ってみたとき広がる世界は小さいほど気持ちいい
だから無謀なほど高い壁がいい
誰もが見上げるような そのほうがあたしらしい

なかなか寝つけない夜は
クリームの頃のクラプトンを弾いたりするのが好き
Down to the crossroads!

生きてみてもいい そう思えたから
生まれてきたはずでしょ?
やっぱよかったな 人って美しいな そう思える場所に今
コンパスを合わせてる

そりゃ悲しい時は泣くよ
ひとりぼっちは寂しいよ
でもね人間ってそんなもんだよ?
Oh,my guiter 響け!

登ってみたとき広がる世界は小さいほど気持ちいい
だから無謀なほど高いほうがいい
誰もが見上げるような きみもどう?
生きてよかったな そう思えたなら
最高に気持ちいい
ぼろぼろに泣いても もがいて叫んでも
それでもあたしたちはまた歩き出せるんだね
さよならと、ありがとう


それを聞いていた孟徳は静かに涙を流していた…

曹“(シャナも苦しんでいたんだな…俺も苦しんではいられない)”

シャナの気持ちは痛い程伝わっていた…でも肝心な事は伝わっていなかった…


次の朝、意外なお客さんが来た。

?“えっとたのも?”

ガメランだった。

曹“ガメランどうしたんだい“

ガメラン“今日はねシャナお姉ちゃんに挑戦状持ってきたの、グスッ”

シャナ“あたしに”


これは血が求めた結果だった

シャナはソウガの仔
ガメランはオニガメの仔

この戦いは避けられなかった。

シャナ“受けて立つわただし手加減は一切しないいいわね“

ガメラン“グスッ怖いけど負けないよ”

シャナ“正々堂々勝負しましょ“

ガメラン“明日よろしくね”

ガメランは牧場に帰っていった。

シャナに闘志が入った明日は頑張れよ二人とも

枠は隣同士。
人気はシャナの方が一歳上なので人気はあった。

レースは一頭ペースを作り他は後ろで様子を見る展開。

ガメランはシャナより前に位置取り、シャナは直線勝負を決めていた。

先に動いたのはガメラン

先頭を狙おうとしたところシャナが弾けた

集中・イメージ・爆発。
以前ケイさんのクィーンに行った事の体現だった。

しかしシャナは二着だった…

シャナ“ガメランありがとうあなたはまだこれからよあたしの代わりにダート引っ張って行くのよ“

ガメラン“お姉ちゃんどう言うこと”

シャナ“孟徳あたしはもう少ししたら引退をする“

曹“そうかピーク過ぎたんだな”

シャナ“ええでも自分の限界までは鍛えるつもりよ“
“それにあたしが走らないとあんた貧乏馬主に逆戻りでしょ”

曹“(ぐぅ相変わらず痛い事言うよな?)“

シャナ“そういう訳だからあたしもヴィルヘルミナもまだすぐには引退はしないわよ”

曹“はいはいメラン今日はありがとうな“

ガメラン“シャナお姉ちゃんありがとうシャナお姉ちゃんの分も頑張るから”

シャナ“まだ少しは続けるから次あっても手加減しないわよ”

ガメラン“え?手抜いてよ“

シャナ“ダメよそんなんだと泣き虫に戻るわよ”

ガメラン“え?ん“

そんな感じでレースは終わった。

シャナからの引退宣言。

そしてヴィルヘルミナは。

孟徳ファームも少し変わった風が吹いてきそうです。