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2015/09/04 20:42

Vivo cada dia como se fosse ultimo 【前編2】

スマホどころか携帯もない時代だったので
たまたま僕の宿泊するビジネスホテルがわりと近かったこともあり
20:00に札幌駅で待ち合わせをすることにして、ユリをいったん降ろした。
街頭の逆光となってよく見えないユリの顔だったが
こっちを見つめる雌豹の瞳が爛々と輝いていたのはハッキリわかる。
期待の一方で、もしすっぽかされても連絡の取りようもないし仕方ないかな、という諦観も頭をよぎりながら。

ホテルでシャワーを浴びると、僕は急いで待ち合わせ場所に向かった。
着いて時計を見ると19:30。まだ早かったかな。
ていうか、いったい来るのか?それとも来ないのか?
1時間ちょっと前に別れたばかりの子に再会するのに、この胸の高鳴りは何だ?
19:45・・・19:50・・・19:55・・・緊張に耐えられない・・・

ユリは来た。
これもまた純白の、何ていうのか今で言うキャミソールにミニスカートという、超挑発的な格好で駆け寄ってきた。昼間と同じ、あの満面の笑顔と雌豹の瞳で。
さらに、もう恋人みたいにいきなり僕の腕にからんできた。
僕の緊張が弛緩するやいなや、この強烈な先制ブロー。やられた。
「初っ端からガーンと飲んじゃいましょう!」とユリ。
僕はただ、このあとの展開を拙い頭で整理する間もないまま、虚勢を張ってユリの腰に震える手を回しながら歩くのが精一杯だった。

居酒屋では、車の中とは逆に、ユリの方が僕にいろいろ聞いてきた。
僕もまた、個人情報を全部さらけ出すよりも小出しにした方が謎めいていていいと考えて
ユリと同様、下の名前と、関東地方の出身だということだけ話した。
あいかわらず競馬の話だけは食いついてこなかったが、さっきの部活の話の続きや過去の恋バナの方は大いに盛り上がり・・・
この夢のような展開に我を忘れ、かなり飲み過ぎたせいもあるし
ユリが笑顔と真剣な表情を入り交えながらも、その魅惑的な視線がずっと僕から離れなかったのにすっかり参ってしまって・・・

その後の記憶は断片的にしかない。
途中からはたしか、ユリは僕の横でしなだれかかっていたようだ。
どうやって店を出たのか、別の店には行ったのか
どうやってホテルに戻ったのかさえよく覚えていない。
ユリも酔ってかなり心を許してくれたのだろうか。

「好き・・・好き・・・」

「一緒に行くぅ・・・」

日焼けの顔とは裏腹に、透き通るようにまっ白だったユリの肌

僕達は、出会ったその日に、男と女の関係になった・・・のか?

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