予想コラム [No.020] 1/5(火)中山11R中山金杯

　2016年が始まった。皆様明けましておめでとうございます。新年も宜しくお願い致します。

　さて。今日は運良く晴美ママを初詣という名のデートに誘うことに成功した。
　それにしても昼間に外で見るママはまたいつもと違う色気が漂う。それに着ている晴着も柄が可愛く素敵だ。高級そうな丹後縮緬地の京手描友禅。もしかしたら俺の知らないパトロンに買ってもらったのだろうか？だとするとちょっと嫉妬。
　ともあれ、目的の神社にお詣り。初詣ということでさすがに人がごった返していたが、ママとデートという状況がこの雑踏を全く気にさせず、2人だけで大きな気泡の中に包まれているような、何とも言えない夢心地だ。
　「何をお祈りしたんだい？」と俺。
　ママ「まずは子供と自分の健康ね。それからもちろん商売繁盛よ。アベチャンは？」
　俺「そうだな。今年も元気に【寝落ち】に通えることかな？ハハハ。」
　･･･違うだろ俺！有馬記念の前の日、思い切って言ったあの言葉。あれをもう一度ちゃんと言わなくてどうするんだ？何のためのデートなんだよ！･･･

　俺「ママ、あの」と切り出した刹那、これを遮るようにママ「有馬記念、惜しかったわね〜。アベチャンも結局ゴールドアクター買わなかったんだよね。あたしも《はるみ》の《は》を浜中だけしかいないって決めつけちゃったわよ。吉田ハヤトの《は》だったわねー！」
　「お、おお。そうだよね。出馬表は隅々まで見ろって事かな。」と俺。出鼻を挫かれた。

　神社を後にして、俺たちは近くの茶屋で昼食をとることにした。
　ママはこのあとお店の準備があるので、最初からこの昼食の時間までのデートという約束だった。だから、さっき言いかけたことをきちんと伝えるなら今しかない。
　案内されたテーブルに2人で相向かいに座り、メニューをみて注文。しばしの沈黙。今だ。
　俺「ママ、あの･･･」
　ママ「うふふ。アベチャンの言いたいことはわかってるわ。有馬記念の前の日にお店で言ってくれた事よね。あの時は本当にびっくりしちゃって、何も答えられずにごめんなさい。･･･うん、とっても大事なお話。そうよね。アベチャンの気持ちはとっても嬉しくて、あの後あたしずっと悩んでたの。･･･でもね･･･あたしまだ特定の男性とお付き合いするとか、結婚するとか、まだ考えられないのよね。･･･お店もどうにか軌道に乗ってるし、今の生活サイクルで上手くやってられるし。･･･怖いのよ、生活が変わってどうなっちゃうのか。･･･私も若くない･･･し･･･。」
　「俺は、俺のことは好きじゃないのか？」と俺も必死。
　「ううん。アベチャンのことは大好き。男性としてもとっても魅力的よ。･･･だだね、私にとって、今は、お店に来てくれてるお客様全てが恋人なの。･･･都合の良い言い方かも知れないけど、それが今の本心だわ。･･･せっかくのプロポーズだったのに、応えてあげられなくてごめんなさい。」

　何だよそれ･･･客がみんな恋人って。
　
　お店に戻るママのために呼んだタクシーにママを乗せると、俺は一人、トボトボと寒空の通りを歩き始めた。チクショー納得いかねぇ。
　その時おかめちゃんからメール。『アベチャン、あけましておめでとうございます！さっそくですが中山金杯は買いますか？実は俺1月5日が誕生日なんで、何とかあてたいところです。◎マイネルフロスト、◯ヤマカツエース、▲ステラウインドとネオリアリズム、△ブライトエンブレム。◎は脚質的に中山向いてると思います。斤量57キロはちっときっついけど(((^_^;)。○はミトラに勝ったこところを評価しますが、そこまで強くなさそう。▲3は人気無さすぎ。力はある！▲4は斤量から！△はもともと力のある馬なので！』
　はあ。おかめちゃん、金杯の日が誕生日なんだ。
　いつもなら『誕オメ！こりゃさっそくパーティーだね♪』とすぐに返信するところだが、今日の俺はお祝いどころかママに振られて奈落の底だよ。この後【寝落ち】に行くのも気まずいし、そもそももう行きたくないし。競馬だって金杯の予想をじっくり考える気分にもなれない。
　あーもう自棄だ。馬券は前走で覚醒した感のある10フルーキーの単勝のみに、ママとの生活を見据えてコツコツ貯めた金を全部つぎ込んでやる！