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2016/09/03 01:09
さようなら新潟記念 その２
【第2章・永遠のライバル？新潟町と沼垂町】
さてここからは新潟市の形成の歴史について紐解く。とその前に、都市の形成には何パターンかあって、�‐覯篠�(東京、静岡、名古屋、岡山、広島、福岡等)、�¬臍按�(長野、京都、大阪、宮崎等)、�９祖�(秋田、横浜、神戸、高松、北九州、長崎等)、�こ稿蚕評貭�(水沢、関他、� 銑�の都市で兼ねる所も多い)といったところが大体だが、新潟はもちろん湊で発展してきた港町である。
新潟市には信濃川、阿賀野川という水量の多い2大河川が流れているが、これらが太古の昔から氾濫を繰り返し、その流域を移動させ、さらに河口付近の地形を著しく変形させてきたという歴史を経糸に、そしてその川辺にへばり付きながらそれぞれの激動の町作りと川の中州の領土争いを繰り広げてきた「新潟町」と「沼垂(ぬったり)町」というライバル関係にあった2つの町の歴史を緯糸に、話を進めていこう。
奈良時代ころ、信濃川と阿賀野川の河口はほぼ接近しており、その2つの河口の間に「蒲原津」という湊があった。この頃からすでに海と大河を利用した水運がこの地に発達し、人や物資の集積地だったことがわかる。
時は流れ室町時代、信濃川の左岸に「新潟津」、阿賀野川右岸に「沼垂湊」ができ、それにより利用価値の薄れた蒲原津は衰退する。さらに、氾濫と流域変化の激しかった阿賀野川のせいで何回もその湊町の遠距離移動(図の薄紫色の場所を参照)を余儀なくされた沼垂湊が文字どおり地に足のついた発展が出来なかったのに対し、信濃川沿いの新潟津は、後述の中州発達による河岸位置のずれによる湊の移動だけで済み、結果的に沼垂湊に大きく差を付けて発展していった。さらに江戸時代に入る直前、新潟津の管轄が長岡藩、沼垂湊の管轄が新発田藩ということになり、あまり仲の良くない2藩がそれぞれ後ろ盾についたこともあって、この時あたりから沼垂側の人々の新潟側への妬み恨みが始まったのだろうか？結局現在の沼垂東・西の地に湊町がやっと落ち着いたのは江戸時代に入り1684年のことである。
いっぽう新潟津だが、形成初期である16世紀頃の町並み(古新潟町)は現在の寄居町・旭町・大畑あたり(図の桃色箇所)で、信濃川左岸つまり湊はこのすぐ東側にあった。しかしその後河岸近くに中州(図の黄色箇所)ができ、それが肥大化して湊の方に寄ってしまったため、1655年に湊をその中州の東側に、町自体もその中州に移動させた。ここが新たな新潟町、現在の古町地区である。そしてこの新潟町は湊からの水運のため、南北方向に寺町堀・片原堀、それに交差するように東西方向に白山堀、新津屋堀、新堀、広小路堀、御祭堀が掘られた。さらに1672年頃、日本海側の拠点の一つとして北前船が寄港するようになり人の往来も盛んになると、遊郭も繁盛し、京都・大坂・江戸につぐ規模との評判となった。
さてこの江戸期の初期、信濃川には上記の新潟町になった中州以外にもたくさんの中州が形成され、幾度となく新潟町と沼垂町でその所有権を巡って争いが起こった。それぞれの町民が勝手にその中州に上陸し稲の作付けをしたもんだから喧嘩が絶えない。そこで1699年、両町民とも藩に上告し、最終的に幕府の結論は『それぞれの中州の新潟側と沼垂側の川の水深を測り、浅い方の所有とすべし』。で、ほとんどの中州は新潟町の所有になってしまった。なぜかというと、当時信濃川の本流は何と現在の新潟駅の南側を通る、古信濃川(図参照)の位置だったからである。これも沼垂側の不満を買う事件となった。
（その３へ続く）
- イバル
