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2018/08/12 00:39
予想コラム [No.146] 8/12(日)新潟10R柳都S
信濃川と阿賀野川の二大河川の間に開けた新潟市はかつて、市内にいくつもの堀が張り巡らされた水の都だった。堀に沿って植えられた幾千本もの柳の木が作り出す景観の美しさから、“柳都”と呼ばれたこの街の中でも最大の歓楽街・古町は、京都の祇園、東京の新橋と並び称された全国でも指折りの花街であった。
太平洋戦争開戦の年。生まれ故郷の会津から新潟の魚卸業を営む松本家に嫁いだ雅代は、陸軍の憲兵として中国に赴任した夫・周作の帰還を待ちわびるが、終戦後、帰国した周作は、戦争中の悲惨な体験から精神を病み、酒に溺れた果てに夭逝。そのため、残された義父・義母、そして周作との間に出来た生まれたばかりの子・周一を養うため、雅代は古町の老舗料亭“柳亭”で働き始める。すると雅代は生まれ持った美貌と人当たりの良さから仲居としての天分を発揮、柳亭の顔として評判を呼ぶのだった。そんな中、地元の若手政治家・山田泰造とひょんなことから知り合うようになり、このことが彼女のその後の運命を大きく変えてゆく。
その後、大女将のハナに乞われ、柳亭を買い取って新しい女将になる決意をした雅代は、そのための借金の保証人になると言ってくれた山田泰造に、彼が生まれ育った北里村に連れて行かれる。そこで泰造から「妾になってほしい」と告白された雅代は、その返事に思い悩むのだが、その一ヵ月後にふたりの運命を変える大事件が起きて……!?
以上は週刊漫画ゴラク2007年6月号から2008年6月号にかけて掲載された〈柳都物語〉という漫画の前半のあらすじである。興味のある人は、現在電子コミックで全ストーリー無料で読めるのでご覧になって下さい。
第二次大戦後直後という特殊な時代背景とはいえ、「戦争に夫を奪われ戦争を憎む」雅代と、「朝鮮戦争の軍需によって自身の政治基盤を確立しようとする」泰造。「嫁ぎ先の松本家の人間が早々に全員死んでしまったのに、嫁いだのだからといって道義的に松本の姓を捨てず操を守ろうとする」雅代と、「正妻の他に妾がいてそれぞれ子供もいる」泰造。この、イデオロギーの著しく相違した2人が何故か惹かれ合い、結果的に愛人契約(妾になる事)を結んで子供までもうけてしまうというのだから、男と女の恋愛の機微っていうのはまさに摩訶不思議なものだと痛感させられる。
さて柳都S。こんな柳都物語の登場人物になぞらえて、今回の予想をしてみたい。
◎ミッシングリンク。主人公・松本雅代のような若き女傑候補。前走の惨敗もスタートで躓いたもので、こういう挫折も乗り越えながら大成して欲しい。
○ピアシングステア。こちらも紆余曲折あるが一発爆発の能力を秘めたオス馬。主人公よりも年上の山田泰造のような存在と見る。
▲サルサディオーネ。ミッシングリンクと同世代のメスで明日もガシガシの戦いになりそうってところは、まさに雅代のライバル・杉村貴子か。