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2018/08/30 22:59
予想コラム [No.149] 9/2(日)夏の新潟競馬最終日 その１
一昨年のこの週の予想コラムでは〈新潟市の歴史〉を、昨年のコラムでは〈新潟B級グルメ〉を書かせてもらった。さて今年は新潟の文化的なものを語る番だろう。一口に〈新潟の文化〉と言ってもいろいろあるが、今回はちょっとマニアックに〈民謡〉を取り上げてみたい。
新潟以外の地方の方々は「民謡？なんじゃそりゃ･･･そんな年寄り臭いモンに興味ない！」と思うかもしれないが、まぁしばしご勘弁を。実は新潟は民謡の宝庫なのである。民謡に関心がない人でも〈佐渡おけさ〉なら聞いたことはあるだろう。『ハァ〜佐渡ォヘェェ』で始まるあの有名な唄だ。この〈佐渡おけさ〉をはじめ、新潟県内には数限りない民謡が存在し、それぞれの地域の夏祭りや盆踊りには、必ずその地域になじんだ民謡曲が使われるのである。また、これらの民謡を一種の「芸術」と捉え、盆踊りの時だけでなくさまざまなステージで演奏(地方＝じかた)と踊り(立方＝たちかた)を披露するグループも数多く存在する。新潟とはそういう土地柄なのだ。
さてその民謡だが、いくつかの種類に分けられるのを皆さんご存じだろうか？
�，�けさ節系
上記〈佐渡おけさ〉の他、県内には〈新潟おけさ〉〈出雲崎おけさ〉〈柏崎おけさ〉などがある。〈おけさ節〉とは、元々北九州の一角で発生した〈ハイヤ節〉と呼ばれる酒の席での騒ぎ唄だったものが、日本海を航行する船頭などによって新潟県内の各港町に伝承され、根付いたものである。何故〈ハイヤ節〉という言い方が〈おけさ節〉に変わったのかは諸説有るが、元々の歌い出しが『ハイヤエー』だったのが、いつのまにか『オケサエー』になった為、というのが有力な説らしい。
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これも〈新潟甚句〉〈長岡甚句〉〈新発田甚句〉〈両津甚句〉〈直江津甚句〉など、ほぼ全ての市町村それぞれが〈○○甚句〉を地元の唄として持っていると思われる。〈甚句〉とは、七七七五の短詞形の歌詞のものの総称である。〈甚句〉の語源は一説によると「地ン句」、つまりその土地で発生した唄、ということらしい。
��松坂系
〈松坂〉と言っても野球の松坂大輔ではない。県内蒲原地方で発生したとされる祝い唄で、冠婚、建造物竣工等、めでたいことがあった時の酒席で唄われている。〈松が栄える〉といった歌詞が盛り込まれていることが非常に多く、ここから〈松坂〉と言われるようになったようだ。県内では〈新津松坂〉〈加茂松坂〉が有名だが、他県にも〈会津松坂〉〈仙台松坂〉といった同系統の民謡がある。
�ちケ�(船方節)系
これは�，汎韻犬�酒の席での騒ぎ唄が元だが、こちらの発祥は鳥取県の境港の〈さんこ節〉。この〈さんこ節〉が北前船に乗って各寄港地に伝承されたものの系統が船方節である。由来はもちろん、船頭さんが船をこぐ時の作業唄。県内で特に有名なのが、その賑やかさと調子の良さから新潟市内の花街で古くから歌い継がれてきた〈新潟船方節〉である。地元ではこの唄を単に〈船方節〉とも呼んでいる。
�ゲ仔�系
〈音頭〉とは元来、雅楽における管絃楽器の演奏で最初の一節を独奏あるいは独唱する人を指す言葉だった。民謡にこの言葉が転用された時も、当初は長い物語形式の歌詞の第１節だけを櫓の上で歌う人のことを指していたが、それに続く第２節目以降の歌詞を踊り子達が覚えられないこともあって、その後音頭の人が全部の歌詞を唄い、踊り子は踊りに専念するという形式に落ち着いた。〈相川音頭〉〈真野音頭〉等がある。ちなみに我が郷土・上州の八木節もこの系統だ。上述のように、ある人物の半生とか武勇伝を語った長い歌詞になっているのが特徴。
�δ品�節系
元々は上州と信州の境にある碓氷峠を往来する馬子の唄う馬子唄に、信州追分の宿の飯盛り女たちが三味線の手をつけ、宿に泊まった旅人相手の酒の席で唄った座敷唄が〈馬方三下がり〉または〈信濃追分節〉とよばれ、その後千曲川から信濃川を下って新潟県内に伝承されたものである。さらにこれが日本海沿岸を北上し、山形の〈酒田追分〉、秋田の〈本荘追分〉、さらに北海道に渡って〈松前追分〉〈江差追分〉が出来たとされる。一般に声を緩やかにのばし、旋律は哀調を帯びる。
以上６系統が主な分類である。その他にも広大寺系、越後口説系、三階節系、よいやな系などもあるが、興味のない方にとっては冗長になってしまうのでここでは割愛する。
- オケサ
