101件のひとこと日記があります。
2012/05/29 16:46
2012年クラシック
まず私自身、競馬から離れていた時期があったので、今シーズンはリアルタイムで2歳戦はほとんど見ていませんでした。なので有馬記念後に2歳戦をまとめて見直すという形を取りましたが、客観的に見るという点では、結果的にはこれが良い方に働いた面もあると思います。前評判などの先入観なしに各馬の力を見ることができたからです。なので来シーズンも、2歳戦に関しては「結果」はあまり重視せず、あくまでも「内容」重視。着順は度外視して気楽な気持ちで見て行こうと思います。
そして来年も今年と同様、焦点は「東京2400で上がり最速を出せる馬は誰なのか」ということになると思います。なぜそこを重視するかというと、まあ有名な話ですが、日本ダービーというレースは上がり3F上位の馬が圧倒的に連に絡む可能性が高いためです(極悪馬場で超イレギュラーラップとなった2009年を除けば、過去10年で上がり最速の馬の連対率は実に83パーセント)。なのでその一点のみに関して言えば、今年はけっこう早い段階で「誰がダービーで上がり最速を出せるのか」ということは見極められたかな?、などと思ってみたり…世代の中で最初に目に付いたゴールドシップ(サトノグロリアスという子もちょっと気になった)が、目論見どおりダービーで上がり最速を計時してくれました。
ただ、今年のダービーは奇しくも「上がり最速の馬が連に絡まなかったレース」となりました。特筆すべきは、ラップの「形」自体は例外的なラップ形態となった2009年に近いものがあるということ。あの年も上がり1位の馬が連に絡まないレースでした。ダービーの「スタンダード」からは外れる形で、通常このような特殊な形になったダービーの場合は、厳しい見方になってしまいますが、勝ち馬のその後の成績があまり振るわない傾向にあります。たとえば良馬場発表なのに中盤以降で13秒台が2つも入る超スローとなり、極端な上がりのみ(通常はもう少し持久力が求められる)の競馬となった2010年も、ラップの形としては別の意味で少し特殊と言えます。この「特殊」というのは、通常のG1レースとは求められる適性が異なるレースだった可能性があるという意味です。
上がり1位のゴールドシップとワールドエースが連に絡めなかった今年のダービーは、この「特殊」なダービーに該当するのでしょうか。これは非常に難しい問題で、時間が経てば自ずとわかることですが、現時点では簡単には判断できません。
ディープブリランテのようなタイプの馬が勝ったということは、最もシンプルに解釈すれば、前残り傾向が通常より顕著な馬場だったということになります。最後脚が止まっていたのを後続が交わせなかったこと、そしてブリランテ一頭だけならまだしも、同じような位置に付けたホマレボシも残っていたことを考慮すると、ある程度は前残りの馬場の影響があったのかもしれません。
しかしもちろん、素直にブリランテとホマレボシの内容を評価することもできます。唯一34秒台の脚を使ったドンナ様が5馬身ちぎったオークスに対し、33秒台の脚を使った3頭がいずれも勝てなかったダービーは、単純に前に行った馬が強かったと見る方が妥当な気もします。あれだけ息の入らない流れを終始前目で押し切るのですから。
また、仮に前が止まらない馬場の影響が大きかったのだとしても、だからこそ、この勝利の価値が大きくなるという考え方もできます。G1週に芝の状態が固くなるというのはここ最近よく見られる傾向ですし、もしかしたら、そのような状態の馬場の方が、今後の「スタンダード」となっていく可能性もあるからです。少なくとも、過去5年で2012、2010、2009と3回もイレギュラーな質のレースになったのですから、「ダービーを勝つタイプの馬」のモデル自体が変わってきているのかもしれません。以前までは「持続力と底力を伴った長くいい末脚で上がり3ハロン最速を計時できる馬」というのがダービーを勝つ馬のスタンダードでしたが、それ自体が変わってきているのかもしれませんね。
ともかく、今年の日本ダービーは前が止まらない馬場だったのか、それとも前を行く馬が単純に強かったのか。今のところはその半々という解釈です。
うーむ、簡単にまとめるつもりがまた長くなってしまった…