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2014/10/31 20:53
やっちの重賞回顧録(天皇賞(秋)[G1])
今週から12月最終週まで忘れていた、やっちの重賞回顧録 今週の2つ目。天皇賞(秋)(G1)です。
このレース、実は1984年から芝2000mと変わり、春の天皇賞[3200m]と大きく様相を変える1戦となりました。
その中で挙げるのは、2008年です。このレースは、2008年以前になった事の無い競馬ファンなら、『是非、死ぬまでに見て欲しい1戦』と薦めたい1戦です。
レースは、久々のダイワスカーレットが抜群のダッシュ力でハナを切る。その直後にキングストレイル・アドマイヤフジが直後に付ける。その後、押し上げたトーセンキャプテンも加わった。
先行グループに、アサクサキングス・ディープスカイ・ウオッカと付けた。
差しのグループは、サクラメガワンダー・エアシェイディ・ハイアーゲーム・タスカータソルテがウオッカを見る位置に付ける。その後ろは、エリモハリアー・アドマイヤモナーク ・ポップロック・オースミグラスワンが付けた。
最後方は、外枠で出遅れたカンパニー・ドリームジャーニー。
全体は、逃げ馬から最後方までやや縦長の15馬身程。前半1000mは、思いの外掛かり気味にダイワスカーレットが行ったこともあり、58.7s。勝負は、3コーナー?4コーナーにかけて、少しづつ後続は、差を詰める。
叩き合い。その入り口でも、ほとんどの馬が持ったまま。最後の死力を尽くす叩き合いは、逃げ粘るダイワスカーレットに、ディープスカイ・ウオッカが襲い掛かる。そのまま外の2頭が交わすかと思えた。しかし、ダイワスカーレットの驚異的な粘り腰で残す中、最後方からカンパニー、ウオッカの外からエアシェイディも加わる。
そして・・・ゴールインの瞬間は、ダイワスカーレットとウオッカが全く並んで入線。3着以下もほとんど2頭に差の無い状態でゴールしていたのであった。
運命の結末をとらえた決勝ゴール板の審判は・・・13分の長き写真判定の末、ウオッカに軍配が上がったのであった。
とにかく、見て欲しいレースです。
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※因みに、このレース、私が考える名勝負の『最高峰』と思う1戦です。これについて、見識を示したいと思います。
『名勝負』には、ファンの立場・ホースマンの立場によって見方があると思います。その両方の立場でも『名勝負』と呼べるだけのものには、10個と+αの要素があると思います。
その全てが詰まっているのが、このレースだと思います。
(1)脚質の有利・不利がほとんど無い事
(2)レースレベルが、メンバーレベルに見合った内容である事
(3)敗者のコメントに、負け惜しみや言い訳めいた言葉が出ない事
(4)ライバルに恵まれている[出来れば、1強でない事が望ましい]
(5)レースの決着が接戦である事
(6)出走馬全てが、「本当に」勝利の為に力を振り絞った事
(7)騎手の斜行などの「人為的なトラブル」が無い事
(8)たとえ、馬券を外しても納得がいき、勝った馬を素直に讃えられる内容である事
(9)(出来れば、)タイムが速く、最下位までの着差が小さい事
(10)あらゆるレース展開を想像しても、これ以上の内容の実現が困難である事
(+α)サプライズな出来事が起きた事
このレースは、たった2頭しか出走していない牝馬[ウオッカ・ダイワスカーレット]が、
正攻法で他の15頭の牡馬・セン馬を蹴散らした凄まじいモノでした。