被災地に希望を！競馬ファンに笑顔を！！〜2013年日本ダービー

今週はいよいよ日本ダービーが行われます。競馬関係者の一年はダービーから始まると言われる程特別な日。もうすぐそのダービーの日がやってきます。

18/6897これが今年の数字です。これは2012年に誕生した6832頭の競走馬の中から日本ダービーのゲートに入れるのが18頭と言う意味です。数字だけ見てもいかにダービーが狭き門であるかお分かりいただけるかと思います。

思い出のダービーは沢山ありますが近年で忘れらられないダービーが2013年。今年のダービーを走る18頭が1歳の時に行われたダービーです。

この年のダービーを勝ったのはキズナでした。キズナは馬名も走りも姿もすべて自分が大好きな競走馬です。

キズナと言う馬名には一つの物語とも言えるエピソードがあります。自分もそれを知り深く感慨を受けました。

キズナのオーナーは前田晋二氏。前田幸次氏の管理馬であったトランセンドが2011年に世界最高賞金レースのドバイ・ワールドカップ挑戦へ準備を進めている時期に、東日本大震災が起きました。国内が大混乱に陥る中、スタッフらの結束で苦難を乗り越え、トランセンドは2着と健闘しました。関係者の努力に感銘したオーナー一族が、人同士のつながりの大切さを示す意味も込め、「次の世代で一番良い馬をキズナ（絆）と名づけよう」と馬名が決まったのだそうです。

こうして誕生したのがキズナでした。キズナとコンビを組んだのは佐藤哲三騎手。新馬戦、黄菊賞とデビューから2連勝し順風満帆のスタートを切った矢先の事、佐藤哲三騎手が落馬により負傷。そして哲三騎手のピンチヒッターとしてキズナの手綱を引き継いだのが武豊騎手でした。

キズナと武豊騎手のコンビは毎日杯、京都新聞杯を連勝し1番人気で日本ダービーに臨みました。レースではキズナは4コーナーまで後方から4番手の位置取り。そして最後の直線、満を持して追い込んで来るエピファネイア。一瞬テレビの画面からキズナの姿が消えました。しかしその直後大外から物凄い脚で追い込んできた青鹿毛の馬。キズナでした。

ほぼ完ぺきな騎乗をし抜群のタイミングでＧＯサインを出したエピファネイアの福永騎手。多分ゴール手前までは勝ったと思ったでしょう。しかしその更に外から急襲したキズナが1着でゴール。3歳馬の頂点に立ちました。

東日本大震災の傷跡がまだ強く残っていたこの年。キズナと言う馬が走るその姿は少なからず人々に多くの感動を与えたのではないかと思いました。

節目となる第80回のダービー。武豊騎手はダービー最多の5勝目。そしてキズナは史上初となる青鹿毛のダービー馬となりました。

太陽に照り返される美しい青鹿毛の馬体、武豊騎手のブレない騎乗フォーム。本当に絵になる最高の人馬だと思いました。

今年でキズナは5歳。凱旋門賞のリベンジを誓っていたキズナでしたが昨年の天皇賞（春）4着の後に骨折が判明。約一年を棒に振りながらも今年の2月キズナはターフに戻ってきました。

しかし、骨折前と同じ走りをする事が出来ず今年の天皇賞（春）で7着に敗れ凱旋門賞挑戦のプランも白紙となってしまいました。

掲示板でも厳しい意見がキズナに向けられています。中には「ダービーしか勝っていないのに」と言う言葉もありました。

しかし、たとえ100％の力がもう出せなくなっていたとしても第80回ダービー馬と言うキズナの輝かしい栄光は決して曇る事はありません。

キズナの走りが見られるのも今年の有馬記念まであと数回。凱旋門賞へのリベンジは叶いませんでしたが最後までその雄姿を見届けたいと思っています。

今はただちょっと足踏みをしているだけ。秋には強いキズナが帰ってくる。そう信じています。

画像はダービーを勝ったキズナ。なんと美しい人馬でしょう。本当にかっこよかったです。