夏の上り馬、2強を破り秋の主役へ〜2000年神戸新聞杯

今日は阪神競馬場で菊花賞トライアルの神戸新聞杯が行われます。自分が衝撃を受けた神戸新聞杯はミレニアムイヤーの2000年のレースです。

この年は武豊騎手騎乗のエアシャカールが皐月賞を制し、ダービーでは「河内のおっさん」事河内洋騎手騎乗のアグネスフライトがエアシャカールとの壮絶な叩き合いを制して河内騎手は最年長でのダービージョッキーとなりました。

そして迎えた秋緒戦。皐月賞馬とダービー馬が早くも顔を合わせる事となった神戸新聞杯。しかし1着でゴール板を駆け抜けたのは皐月賞馬、ダービー馬のどちらでもありませんでした。

勝ったのは3番人気に支持されたフサイチソニックでした。フサイチソニックは道中終始2番手をキープ。そして4コーナーで先頭に立つと追い込んできたダービー、皐月賞馬の2頭を寄せ付けずアグネスフライトに2馬身差を付けてゴール。

2か月前の7月にデビューしたばかりのこの馬が夏の勝利を皮切りに4連勝で重賞初制覇。一気に菊花賞候補の1頭として名乗りを上げたのでした。

フサイチソニックのオーナーは「和製ラムタラ」と呼ばれたフサイチコンコルドの関口氏。「あの時のダービー同様大物食いもあるんじゃないか？」そう思っていたら本当にやってのけてしまいました。

フサイチソニックは菊花賞をパスして天皇賞（秋）の参戦を予定して調教を進めていましたが左前浅屈腱炎を発症。結局このレースを最後にターフを去る事となりました。

引退後フサイチソニックは種牡馬になりましたがドリームフライト以外では主だった活躍馬を出せず2010年に種牡馬を引退。現在は十勝軽種馬農協種馬場の管理人が所有する、中川郁夫牧場で余生を送っているそうです。

遅咲きのデビューに加え、当時フサイチソニックの調教師であった田原元調教師と関口オーナーとの不仲により松田国英厩舎に転厩と言う慌ただしい競走馬生活を送りながらよく勝ったと思いました。

画像は神戸新聞杯を勝ったフサイチソニック。オーナーの関口氏はまたしても「してやったり」の勝利でした