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2014/02/04 23:12
頂点(トップ)への道(ロード)を目指して〜1999年きさらぎ賞
今週の重賞はきさらぎ賞です。言わずと知れた皐月賞へのステップレース。武豊をダービージョッキーにしたスペシャルウィークも2冠馬ネオユニヴァースもこのレースを勝ちました。
自分の中での思い出のきさらぎ賞は1999年。この年の勝ち馬はナリタトップロードでした。
96年生まれ。名馬サッカーボーイ産駒。どんな走りを見せるのかデビュー前から楽しみにしていた馬でした。主戦は渡辺薫彦騎手。
ナリタトップロードと言えば同期にダービー馬アドマイヤベガ、今も最強馬と謳われているテイエムオペラオーが居ました。
この3頭の中でデビュー当時から圧倒的に評価が高かったのは名牝ベガの仔アドマイヤベガでした。そんな中ナリタトップロードは弥生賞でそのアドマイヤベガを破りきさらぎ賞へ。
このレースで圧倒的1番人気だった武豊騎手のエイシンキャメロンを破り一躍クラシックの有力馬として注目される事となります。
しかし当のクラシックではナリタトップロードは歯痒い競馬が続きました。皐月賞ではテイエムオペラオーの大外強襲に破れ3着。アドマイヤベガを抑えて1番人気に支持されたダービーでは早めにスパートをかけるもゴール直前にアドマイヤベガに差されて2着。
悔しさを堪え切れなかった渡辺薫彦騎手はロッカールームで人目を憚らず悔し涙を流したそうです。
このダービーでの渡辺騎手の騎乗には多くの疑問が投げかけられました。しかし馬主の山路氏と沖調教師は渡辺騎手をナリタトップロードから降ろしませんでした。
これをきっかけにナリタトップロードと渡辺薫彦騎手の絆はより深いものになりトップロードとの出会いは渡辺騎手を大きく成長させることとなりました。
クラシック3冠最後の1戦菊花賞。4コーナーから早めに先頭に立ったナリタトップロードはロングスパートで粘り切りテイエムオペラオーを抑えてクラシック最後の1冠を手にしました。
結果的にクラシック3冠を3頭が分け合う結果となったこの年。「今度は彼らの子供達同士で再戦を。」当時の自分はそう願っていたものでした。
しかし天はこの3頭に過酷とも言える運命を与える結果となりました。菊花賞の翌年、同期のダービー馬アドマイヤベガが左前脚の繋靭帯炎が発覚し引退。
ダービーの借りを返せぬままナリタトップロードは現役を続け2002年の有馬記念を最後に引退。5歳からほぼ無敵の強さを誇っていた同じ同期のテイエムオペラオーとは大きく差を付けられた結果となってしまいました。
そして現役引退後の3頭。一番先に種牡馬となったアドマイヤベガは偶発性胃破裂の為2004年8歳と言う若さで急逝。わずか4世代の産駒しか残せませんでした。
そしてその1年後。思い出の菊花賞を勝った6年前と同じ日にナリタトップロードは9歳の若さで心不全の為急逝してしまいました。まるでアドマイヤベガの後を追うように・・・
3冠を分けあった3頭のうち存命しているのはテイエムオペラオーだけとなってしまいました。そしてそのテイエムオペラオーも種牡馬として苦難の道を歩んでいます。
自身はあれほど強かったにもかかわらずその遺伝子を残すことが出来ていませんでした。産駒から主だった活躍馬が出ていないのです。
この世代の何と不遇な事か・・・天はこの3頭にまさしく過酷とも言うべき試練を与えたと思いました。
あのきさらぎ賞から15年の今年。テイエムオペラオーの主戦だった和田騎手にテイエムオペラオー以来クラシックを意識できるチャンスが巡って来ました。2戦2勝で挑むバンドワゴンとのコンビです。
おそらくは1番人気になるでしょう。そしてそのバンドワゴンに立ちはだかるのは武豊騎手とのコンビで挑むこちらも2戦2勝のトーセンスターダム。
時代を超えて15年前の記憶が蘇ってきた感じがします。残念なのは渡辺薫彦が2012年に騎手を引退されてしまった事。
アドマイヤベガとナリタトップロードがもっと沢山の産駒を残せていたら今年のきさらぎ賞には子供達が出走していたかもしれません。
2頭の急逝は本当に残念でなりません。
トップロード、今年のきさらぎ賞も天国から見ているのかな?君の強かったその姿は今でも心の中に・・・
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skyさん
アイバイノチさん
ナリタトップロードはナベちゃんを大きく成長させた馬。そしてダービーの後もトップロードからナベちゃんを降ろさなかった馬主、調教師の方素敵だと思います。
おるたんさん
「いいね!」を有難うございます。 -
おるたんさんがいいね!と言っています。
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アイバイノチさん
ナリタトップロードの3強時代、クラシックを見事に3頭で分けましたね。
ダービーの悔しさを菊花賞できっちり返したナベちゃん、そんなナベちゃんをずっと見守った馬主さんや調教師さんに、今では見られない、固いきずなを感じます。
私よく覚えているのは、ナリタトップロードのラストランの有馬、帰って来た馬に、「お疲れ様〜」の暖かい拍手が沸いたこと。
いい時代だったと思います。
今年も大物登場で楽しみですね。