天国の父へ捧げたキス〜2006年桜花賞

いよいよクラシックの春到来。今週は牝馬三冠最初のレース桜花賞が行われます。

生涯に一度の晴れ舞台。満開の桜の花咲く阪神競馬場に18騎の少女達が集い桜の女王を賭けて戦います。

名牝ベガ、怪物オグリキャップの妹オグリローマン、ダイワスカーレット、ブエナビスタ。多くの名牝が誕生した桜花賞。自分の思い出の桜花賞は2006年です。

この年の桜花賞は名前の似通った2頭の牝馬のマッチレースとなりました。。武豊騎手騎乗のアドマイヤキッスと安藤勝巳騎手騎乗のキストゥヘヴンです。

圧倒的な1番人気は武豊騎手のアドマイヤキッス。キストゥヘヴンは6番人気でした。ゴール前の直線、アドマイヤキッスが豪脚を繰り出し他馬をまとめて差し切ったと思った瞬間一番大外から追い込んできたキストゥヘヴンがアドマイヤキッスを3/4馬身交わした所がゴールでした。

キストゥヘヴンは2003年4月父アドマイヤベガと母ロングバージンとの間に生まれました。

しかしキストゥヘヴンが生まれた僅か一年後彼女の父であったアドマイヤベガが急逝。北海道市場の2004年の北海道オータムセール1歳馬市場で同馬を970万円で購入した吉田勝己氏は、「天国にいる父・アドマイヤベガと母父・ノーザンテーストに（キスが）届くように」との願いをこめてキストゥヘヴン「天国へのキス」と名付けたそうです。

孝行娘のキストゥヘヴンは6番人気を覆し名前通りに天国の父へキスを捧げたのでした。

天国のアドマイヤベガにキスを捧げたキストゥヘヴンの桜花賞から8年経った今年。名牝ベガの忘れ形見でありアドマイヤベガを叔父に持つハープスターが今年の桜花賞に出走します。

おそらく圧倒的な1番人気になることと思います。クラシック候補の牡馬達を負かしダービーにも仮登録をしていたほどの逸材。今年はハープスターが天国のアドマイヤベガに美しいハープの旋律を奏でてくれると信じています。