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2017/10/22 00:47
菊花賞を前に
高松宮杯(現・高松宮記念)、北九州記念、京阪杯etc…
競馬歴の中でまるっきり施行条件が変わってしまったレースはたくさんあります。オープン特別や条件特別なども入れたらキリがないくらいでしょう。そしてそれは大抵距離が短縮されるケースがほとんどです。
菊花賞や天皇賞・春は近年最強クラスの馬が出走しないケースが増え、存在意義の低下がささやかれたりしているとよく言われます。
私が見始めた時には既に2000mになっていましたが、天皇賞・秋が距離短縮された時の衝撃はすごかったでしょう。
ただ、見る側からすると長距離レースの人気は決して落ちているわけではないと思いますし、存在意義がないとも思っていません。後世に血統内での底力を伝える、騎手のペース判断や駆け引きを磨く、見る方からするとそれを楽しめてレースの呼吸や作法のようなものを学べるなど、重視されるべきメリットはたくさんあると思います。
昨今スローペースのレースが増えたのもそうしたペース判断が磨かれないために恰好ばかりの折り合いをつけることが多くなったからではないか、そういうレースばかりだから馬の本当の底力が養われずにいざヨーロッパの最高クラスのレースに出ても通用しないのではないか、そんなことを思ったりしてしまいます。
今年の菊花賞は生憎の雨模様ですが、そのことが上がりの速さばかりでなく底力を問うようなレースにしてくれるのではないか、そんな願望に相応しい馬が勝ってくれるのでは、という期待もあったりします。
何より、何十年か後にわたしたちが新しい競馬ファンと接した時、「今でこそこの距離だけど、菊花賞と天皇賞・春は20XX年までは3000m、3200mでやってたんだよ」なんてことを言わないで済むよう、主催者には長距離レースの価値を改めて考えて欲しいと願う菊花賞の前日でした。