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2015/10/26 08:17
菊花賞の結果で仲間内で話題になったこと
今回勝ったキタサンブラックの父ブラックタイドがディープインパクトの全兄弟であるのは周知の事実。
これだけリーディングを独走しているディープインパクトが未だに3000メートル級の重賞未勝利であることが話題になっていたし、今回まさかブラックタイド産駒が勝つとは思っていなかった。これを母系のウインドインハーヘアのドイツ系の血に原因を求める見解もあるが、ディープインパクト自体の走りから見て本来なら体質的、体格的には3000メートルでも問題ないのだろうが、サンデー系の血筋に見られる異常なまでの闘争本能が悪いほうに出ているということなのだろう。
短中距離なら一度二度のペース調整で済むだろうが、3000メートル級となると気性的な問題は避けて通れない。ある意味闘争心の無さとでもいうべき従順性が必要になるケースが日本では多いということだろう。
昔のエリモジョージのように自分の思い通りに走れれば日本レコードでぶっちぎるが、何か気に入らないことがあれば歩き出すような馬はいつの時代もいた。しかし、サンデーサイレンスの血統はそのタイプがめったやたらと多い。それを考慮すれば今回の福永騎手のリアルスティールの御し方は褒められてしかるべきだが、勝たない者を評価しないのもまた勝負の世界。勝っていたらなあではすまないということだ。
対照的なのだが、今のヨーロッパ主流であるサードラーズウェルズ系の代表といえるメイショウサムソンの産駒が2頭出走してきたがブービーとビリというひどい結果だった。この2頭は血統的には3000メートル大歓迎のはずなのに大惨敗。とにかくメイショウサムソンの産駒は一定のペースで淡々とレースが流れないと好走できないという致命的な欠点があって、それがJRAで産駒が出世できない足かせになってしまっている。代表産駒であるトーセンアルニカもサムソンズプライドも変わり種のメイショウソラーレも皆そろって勝ったレースの展開を見れば入れ替わりが少ないレース、ワンピッチのレースでしか好走できないのが一目瞭然なのだ。これを見れば昨日の菊花賞で大惨敗は当たり前だといえる。
同じ欠点はアメリカ系の種牡馬にもありデインヒル系のハービンジャーの産駒が3頭とも枕を並べて討ち死にしたが、デインヒル系もワンピッチのレース以外には対応できない馬が多すぎてどうしようもない。デインヒル系で強い馬イコールペース配分をコントロールできる馬の図式が成り立つほどだ。
そこでキタサンブラックに戻るが、この馬は父はディープインパクトと同じ配合のサンデー系だが、母父は日本産でも指折りの一本調子のスピード血統サクラバクシンオー。母系の気性と父系の気性がうまく中和した見本なのかもしれない。今後もサンデー系の産駒が走る長距離戦は母方が典型的なワンピッチのレースをする系統を狙うのが吉なのではないか。でも、それはペースの切り替えが煩雑なG1戦だけの可能性もあるので断定はできない。アルゼンチン共和国杯みたいに典型的なワンピッチのレースもあるからなあ。