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2014/07/06 03:14
ドルメロが勝ったから書けるマンノウォー血脈をひく期待種牡馬エンパイアメーカー
エンパイアメーカーの血統で一番注目していたのはDr. FagerとIn Realityのクロスから成り立つRough' n TumbleのクロスとDr. Fagerと牝系祖Magicに由来するBetter Selfのクロスがあることです。
今のアメリカで勢いに乗るIn Reality系でクロスさせるとなぜかうまくいくニックスがRough' n Tumbleの直系Holy Bullの系統とのクロスで、
実は血統表を見ると一目瞭然なのですがHoly Bullの父にはIn Realityの父IntentionallyとBetter Selfのクロスが母系から入っているのでこのクロスはIn RealityとBetter Selfのダブルのラインブリードが効いてくるわけです。
Holy Bullの系統で近年の大活躍馬にムーチョマッチョマンがいますが、彼も母系からIn Realityの父祖マンノウォーの血を入れたHoist the Flagのラインブリードを入れることで活力を取り戻した馬です。
In Realityの血脈はクロスを重ねることで活力が増大するのですが、近親交配を重ねれば確実に繁殖成績に悪影響が出る。
Holy Bullからはマンノウォーラインブリードを入れない馬しか競走成績で目立つものが出ませんでした。血を薄めてから3代目に再度マンノウォーを注入して活力を取り戻すとムーチョマッチョマンのようなラインブリードの傑作が登場するわけです。
そこで考え付くのが母系に入った系統の異なるマンノウォーの子孫間でラインブリードを繰り返すことです。 アメリカならHoist the FlagやHis Majesty兄弟、その子アレッジドを使って配合を考えるのですが、日本にはマンノウォーの良血産駒である月友やリンボーなどの血が残存していてこの血を利用して生まれたのがドルメロになります。
出来るだけ遠くなるように5代先まで離して配合、最後の1本であるヒカルタカイが入っているのは日本在来牝系の特権です。
ドルメロはムーチョマッチョマンのマンノウォー血脈クロスを父系母系のクロスで2倍にしたわけで、最初に見たときはさすがに驚きました。凄いことを実行したものです。
Better Selfのクロスも重要です。Better Selfはアメリカの希少血脈ドミノ系の中では種牡馬としては大きな成功を収めず、母父としてのみ巨大な影響を与えた馬で、今この馬の血を引いた牝馬の成績を見れば驚きの影響力で、この馬が血統表にいればドミノ、テディ、マンノウォー、ラトロワンヌ、ブラックサーバントといったかくし味になるラインブリードがこの馬1頭でまかなえるという便利な馬、これをクロスで持っているのはエンパイアメーカーの最大の特徴だと思っていました。
独立では影響力がほとんど見えないが、この血が接着剤役になって目立たないが重要なアメリカ系スピード血脈を爆発させるのです。
去年活躍したモーリスや復活したヴィルシーナなどラトロワンヌのクロスがあると確実にスピード能力が出ますし、何よりサンデーサイレンス系×ミスプロ系×ラトロワンヌの組み合わせではサイレンススズカやゼンノロブロイが出ているように、成長力があり、かつスピードを強く伝えるという理想のタイプの競走馬ということになります。
この血を持っているエンパイアメーカーにサンデー系の牝馬につければ自動的にこのラインブリードが動作して最低限のスピード能力と成長力が手に入り、かつ牝馬に眠っているアメリカ系のスピード爆発の後押しが期待できるのですから素晴らしいです。
とんでもない大物種牡馬になる可能性は高いと思います。