275件のひとこと日記があります。
2012/10/04 09:36
いざ、ロンシャンへ!
何故、僕がロンシャンに行こうと思ったのか。
もちろん、オルフェーヴルが出走するからに他ならないのだが、昨年、娘が産まれ、3人の子供を抱える身では、おいそれと行ける場所ではない。ちょっとした偶然が無ければ、流石の僕も、こんな思い切った事は考えなかっただろう。
去年の春、会社で「20年勤続表彰」なるものを受けた、会社に対して、然程の忠誠心も持っていない僕だが、表彰される事はもちろん嫌ではない。その副賞の中に、様々な商品と共に、「国際線エアーチケット」があったのだ。
会社への忠誠心は無いが、妻への服従心は持ち合わせている僕は、とりあえず、行き先不定のまま、この権利を確保した。この時点では、オルフェーヴルは皐月賞を勝っただけ、凱旋門賞の「が」の字も無かった頃である。
とりあえず、権利だけは得たものの、特に予定も決めないまま1年弱が過ぎ、手続き上、行き先を決めなければいけなくなった僕は、そこで思い付いたのだ、ロンシャンへ行こうと。
「秋にパリに行かへん?」この誘いに、嫌と言う女はいないだろう。もちろん、我が妻も、次の日には「るるぶ・パリ」を買ってくる事となる。
当時のオルフェーヴルは、春の初戦、阪神大賞典で大暴走をやらかしていたものの、結果はむしろ評価を上げる事にしかならず、そのバケモノ振りに、ますます凱旋門賞制覇の期待が高まっていた。
とりあえず、パリに行くことが決まり、飛行機の予約も完了、早速、ホテルの選定に取り掛かったのは良いが、肝心のオルフェーヴルが、どうにもイケない。
天皇賞での大敗を受けて、「凱旋門賞挑戦は白紙」との発表を前に、僕は呆然と立ち尽くすしかなかった。
そして迎えた、追試、宝塚記念。祈るような気持ち、そう、僕の心は、まさにそれだった。
陣営から、次々と出てくる弱気なコメント、池江調教師からは、7割発言まで飛び出し、池添ジョッキーからは、悲壮感しか漂って来なかった。
それでも信じていた。いや、信じていたかった。オルフェーヴルなら、やってくれるのではないかと。
そして、やはりオルフェーヴルだった。
僕の、僕たちの心配を他所に、堂々と圧勝してみせたのだ。最後の追試で、見事に満点を採ってみせたのだ。
僕は、感動と安堵の中、ふと考えた。もしかしたら、あの逸走と大敗は、オルフェーヴルが、陣営の慢心を諌めるためにやった事なのではないのか?今回試されたのは、オルフェーヴルではなく、我々、人間の方だったのではないのか?
いずれにせよ、その結果が、ローテーション、帯同馬、ペースメーカー、委託先厩舎、そして賛否両論あるものの、ついにはジョッキー変更まで、あくまでも「勝ち」に拘った凱旋門賞挑戦となったのだ。
そして、前哨戦のフォア賞を勝ったオルフェーヴルは、なんと、1番人気に推されるまでになった。
あとは、勝つだけ。
その瞬間を見に行くのだ。
実は、ここにもうひとつの偶然がある。
今回の航空券、有効期限が2年。つまり、今年度中に使ってしまわなければならなかった。まさにワンチャンス。更に言うと、実は僕は、今年が勤続22年目となる。本当なら、昨年ではなく、一昨年が20年目だったのだ。この年は、たまたま会社の都合で、表彰類の行事が凍結されていた。結果、その「たまたま」のおかげで、今回のワンチャンスをモノに出来た訳だ。普段は、オカルト的なモノを信じない(その割には、ゲンは担ぐのだが)僕でも、もはや、何か見えない力が、僕をロンシャンに導いている、と考えるのも止むを得ない事だろう。
こうなったら、あとは、この見えない力を信じて、そして、オルフェーヴルを信じて、彼の地へ乗り込むだけだ。
無信仰な僕だけど、今回だけは、神様を信じてみたい。競馬の神様を。
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はなりんさん
マックイーンから導かれ…今度は行くべくしてロンシャンへ…
すごいです〜^^ -
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黄金伝説さん
勝利を確信して、既に大喜びした後の落胆。
思わず「ペリエかよ!」と突っ込んでいました。
「永遠の黄金」の中で、ステイのデヴュー戦と二戦目の背中にいたペリエさんが、手を焼いていた様子を思い出したりしましたが、ゴール前、ラチめがけてササっていくオルフェーヴルを見てペリエさん、ステイのことを思ったりしなかったでしょうかねぇ?
あちこちで様々なタラ、レバが言われていますが、オルフェの背中がペリエだったら…なんて思ったりもしました。
ともあれ、お疲れ様でした。