ダービーについて思うこと(その1)〜序章〜

「ダービー馬のオーナーになることは一国の宰相になることより難しい」

イギリスの首相チャーチルがそう言ったというのは作り話らしいですが、実際どうだったかはさほど重要ではありません。ここで重要なのは、そんな話が長年の間語り継がれるほどにダービーを制するということは、すべての競馬関係者にとって名誉だということです。
すべての生産者がダービーを制するために配合し、すべての馬主がダービーを制するために牧場をまわり、すべての調教師がダービーを制するために馬にトレーニングを課し、すべての騎手がダービーを制するために日々腕を磨きます。
「なぜそこまでダービーを勝ちたいのか?」その理由は「ダービーだから」それ以外にないのかもしれません。

競馬ファンにとって、最強馬はどの馬かを仲間たちと討論する時間が一番楽しいときです。僕は、「歴代の競走馬が最強馬として名乗りを上げていい条件はたった一つ、それはすなわち日本ダービー、天皇賞(春)、有馬記念の3レースすべてを勝っていること」という持論を持っています。細かい理由は省きますが、すべての競走馬がダービーを制することを目的に作られていることを考えると、最強馬はダービー馬の中から選ばれなくてはいけないような気がするんです。
ちなみに上の条件を満たすのは、100年近くの日本近代競馬の歴史の中でシンボリルドルフとディープインパクトのみ。たった一つのフィルターをかけることで、無敗の3冠馬2頭に絞られるのは、我ながらすごいと思います。(←自慢はいいから先へ進め笑)

正直に書きますと、まだこれから何を書こうか決めていません。いや、決められないほど語りたいことが山ほどあります。その理由は「ダービーだから」それ以外に何もありません。

(その2へつづく)