桜花賞

デビュー２戦目にして阪神ＪＦを制覇し２歳女王となったジョワドヴィーヴルが
チューリップ賞でよもやの連外しで３着。これで一強説が消え俄かに混戦ムード漂うが
休み明けで本番を見据えた仕上げだった事やキャリアの浅さを考えれば想定内の敗戦だ
阪神ＪＦで負けた組にとってあの２馬身半差は決定的だし前走だけで評価は下がらない
ただジョワドの現在の立ち位置が不動の首位の座とは限らない事だけは間違いない

未対戦ではないが桜花賞に向けて手の内を隠していたジェンティルドンナに◎をうつ。
ダイワスカーレットやマルセリーナでさえ２着、３着に敗れていた牡馬相手のシンザン記念で
勝利した力は牝馬相手では確実に上。前半4F47.2は決して遅いペースではなかったが折り合いを欠き
上がり4Fも11.6-11.9-11.7-11.9と緩まない流れだったが絶好の手応えで直線に入ると
早め先頭に立ち押し切ってしまうのだから並大抵ではないスピードと精神力の持ち主だ
勝ち時計「1分34秒3」は過去10年で２位タイの好記録。シンザン記念は内枠先行有利のレースで
あまり評価対象のレースとしてこなかったが前半の流れだけに左右されたわけではなく
自ら後半のペースを作り時計を釣り上げ１馬身４分の１抜けたのだから素直に褒めたい
チューリップ賞は戦前から熱発明けによる調整不足が心配されていた通り復調途上の競馬
スタートから行き脚がつかずジョワドヴィーヴルの後ろの位置取りで４角の手応えも
本物ではなかったし直線は雨が残って重かった内目を通らされる厳しいレースだったが
なんとか馬群を割ると最後は上々の伸び脚でジョワドとは０秒１差の４着と格好はつけた
無理をして反動が残っては本末転倒だし大敗でも次が心配という難局をうまく凌ぎ
前哨戦としては合格点の内容だった。調子さえ戻ればジョワド逆転はたやすいだろう
中間の調整もすこぶる順調で不良の坂路を4F53.6で駆け上がったようにデキは文句なしだ
新馬戦で差して２着しているがLyphard【4×4】があるように切れよりパワーで粘りたいタイプで
先行馬の少ない今回は展開利も見込めるし時計の掛かる阪神の馬場も合うはず
ディープインパクト産駒から何故か重賞２勝馬が誕生しないという謎のジンクスがあるが、
それはジョワドヴィーヴルも一緒だしいずれは消滅するモノ。女王戴冠も試練あってこそだ

おそらく○ジョワドヴィーヴルとの一騎打ち。中間の馬体重が前走より減っていたのが
悩みの種だったがとりあえず維持はした。輸送を挟むオークスは相当危ない予感だが
ひと叩きで順当に良化してきた今回は外枠から自慢の決め手がフルに生かせるはず
波乱を匂わせるような報道も目立つが阪神の桜は未だに「三分咲き」波乱で散ってしまう道理がない

前哨戦を席巻した関東勢は軒並み調整に問題ありでパララサルーやオメガハートランドは二桁減
アイムユアーズも栗東滞在ながら攻めた調教が出来ていないので力は認めても抑えが一杯
フィリーズレビューでは大外枠と1400mの流れが忙しく４着に負けたイチオクノホシが▲
阪神ＪＦ４着はジョワドヴィーヴルとの瞬発力比べで劣ったが末脚は確かだけに
強敵より前目での競馬を試みれば一角崩しの可能性もある。田辺騎手の手腕に期待がかかる
△エピセアロームはチューリップ賞でようやく実力の一端を見せる２着で内枠なら前走以上もある。