京都新聞杯

マンハッタンカフェの３連覇やスペシャルウィーク、ダンスインザダーク、アドマイヤベガなど
スタミナ色の濃いＳＳ系が圧倒的に強く、外回りの切れ味では劣るロベルト系が２着や３着までだから
ミニ菊花賞とも呼ばれるのも頷ける京都新聞杯。今年は約半数を占めるディープインパクトが鍵だ
そしてＴＲの青葉賞(中１週)よりも間隔が楽な京都新聞杯の方が皐月賞からの出走は多く【4-1-3-10】

過去10年３着以内に入った馬の皐月賞着順と主な実績を洗い出すと、

０２年１着ファストタテヤマ　　皐月賞１５着　デイリー杯２歳Ｓ、若葉Ｓ２着
０４年１着ハーツクライ　　　　皐月賞１４着　きさらぎ賞３着、若葉Ｓ
　　　２着スズカマンボ　　　　皐月賞１７着　若葉Ｓ２着
　　　３着ミスティックエイジ　皐月賞　５着　ラジオたんぱ杯２歳Ｓ２着
０５年３着アドマイヤフジ　　　皐月賞　５着　きさらぎ賞３着、若葉Ｓ
０９年１着ベストメンバー　　　皐月賞　５着　若葉Ｓ
１０年１着ゲシュタルト　　　　皐月賞　７着　スプリングＳ２着
　　　３着レーヴドリアン　　　皐月賞　９着　きさらぎ賞２着

４勝２着１回３着３回とさすがに格上感のある数字だが重賞３着以内の経験かオープン連対が最低条件
他だと３勝２着１回３着１回のムーニーバレーＲＣ勝ち馬は人気に関わらず注意しておきたい

ムーニーバレーＲＣ組の好成績からも分かるように京都コースの適性も重要なポイントで
過去10年３着以内馬３０頭中２１頭が京都で勝利していた実績を持っていて未勝利馬【2-1-4】のうち
優勝したインティライミは京都コース初の２勝馬でベストメンバーはオープン勝ちできさらぎ賞４着
２着のコメディアデラルテも京都未経験で毎日杯５着の２勝馬だから的外れな馬が来ている訳ではなく
３着馬についても２勝馬や京都のオープンや重賞で掲示板があったりする(偶然だがマイネルが３頭いる)

人気は承知でも４戦２勝のエキストラエンドを中心とした。前走の弥生賞が強い内容の５着だった
弥生賞は極端な内伸びでしかも1000m通過63.1のスロー、恵まれた内枠の先行馬が揃って上位に入線し
本番の皐月賞では４、１１、１２着に終わったのが特殊性を現しており弥生賞自体の評価は低いが
一方のエキストラエンドは大外枠からＣ．デムーロが何とか内にと考えても外目を回らされる苦しい展開で
４角でも張られながら最後までしっかり脚を伸ばしたから能力は非凡。６着だったフェノーメノが
青葉賞を完勝したように逆ベクトルのレースをして善戦した組は素直に評価を上げるべきだろう
京都では新馬戦(0秒1差)で４着だが未勝利でトーセンホマレボシ(今回も人気)を退けているし
あすなろ賞は道中好位のインをソツなく回って直線外に出されると上がり34.3で瞬発力の違いをみせた
父ディープインパクトの適性を左右する母系はたいへんな良血。母カーリングはヴェルメイユ賞や
仏オークスを勝った優秀なエンジンとスタミナを搭載した名牝で半兄には重賞４勝のローエングリン
ローエングリンは爆発的なスピードを誇った半面、一本槍で制御に苦労し溜めが利かなかったので
マイラーズＣや中山記念など直線の短いコースで強く大舞台の東京や京都では安田記念３着が最高だったが
エキストラエンドは両親からバランス良く能力を受け継いでいる印象で兄弟でも屈指の総合力
年明けデビューでもゆったりめのローテで仕上がり良好。勝ち方次第ではダービーの伏兵になる好素材だ
傾向から導くと皐月賞７着で京都でもきさらぎ賞３着と好走しているベールドインパクトが対抗
前走は距離や馬場より実力不足の敗戦だったがここなら上位争い。すみれＳの価値はクランモンタナが
青葉賞で敗れ微妙になったがワールドエース相手のきさらぎ賞で早目先頭から粘った力は認めたい
ＴＲを使わなかった事で余力の面でも問題はないだろうし馬の後ろでしっかり我慢出来れば順当だ
３番手以下が少し悩ましくて先週までの高速馬場を考えると先に行く馬が怖い一方で逃げ馬の不振も気になる
サイレントサタデーは逃げて連勝していたが弥生賞で控える競馬を試していたのが興味深い
結果こそ１１着だがエキストラエンドと同じようなレースぶりで最後は追わずに0秒7差だから
今回仮にハナを譲ったとしても壁を作ってうまく進めれば十分勝ち負けに加わっても不思議ない
トーセンホマレボシはトーセンジョーダンの半弟で素質は高そうだが完成途上で連下が妥当
ムーニーバレーＲＣを勝ったニューダイナスティは血統的に切れが疑問で前残りの３着が一杯
メイショウカドマツの皐月賞８着は悪くなかったが粘りの血を重ねた配合で外回り替わりは厳しい。